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「世界でいちばん透きとおった物語」(杉井 光)

旅行や出張で宿泊した時には、その土地の書店に足を運ぶことにしています。もともと本好きですので移動時間や寝る前に読む本を探すという理由もあるのですが、店舗毎にて平台や企画コーナーに並んでいる書籍が異なりますし、地方によってはその土地にまつわる書籍を揃えたりしている店舗もありますので店内を散策するだけでも楽しいなと思うからです。さらに個人が経営する書店だと、店主の好みが棚の書籍に反映されているような気もして、今まで縁のなかった作家さんの本を手にとるようなことも時々あって楽しい。今回も、旅先で立ち寄った小さな個人書店で、平台に載っていた一冊の本に目が止まり購入しましたが、とても素敵で胸に沁みる物語でした。

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)

ご紹介させていただくのは、杉井光さんの書かれた「世界でいちばん透きとおった物語 」という一冊。2023年5月の発売以来、大ヒットとなっている物語ですので、すでに読まれた方も多いのではないでしょうか。

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。
宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。
知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、僕は父の複雑な人物像を知っていく。
やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着く――。
(Amazonーあらすじからの引用)

「”紙の本でしか”体験できない」「絶対に予測不能な衝撃のラストーネタバレ厳禁」となっているので多くを書くことはできませんが、ラストの驚くような結末だけではなく、内容もとても素晴らしくて旅先で一気読みしてしまいました。一度も会ったことのない父親の真の姿を探す主人公と、その周辺の人々とのやりとりも温かくてホッとするような内容でした。そして、やはり物語の真の謎が解けた時の驚きや感動はひとしおで、思わず何度も読み返しては唸ってしまいました。さすがに人気の一冊。オススメです。

こういう思いがけない本当の出会いは、旅先で書店に足を運ぶからならではだなと思いますし、本好きとしては幸せなことだなとも思います。

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