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素敵な場所の素敵なミステリー短編集「京都一乗寺 美しい書店のある街で 」(大石 直紀)

たまたま読んだ物語の舞台が、自分が住んできる地域だととても身近に感じて嬉しい。また、旅先などで書店に入るとその土地を題材とした企画コーナーがあったりするので、旅先でその土地を舞台とした物語を読むのも楽しい。以前、出張で奈良市に宿泊した時に「鹿男あをによし 」を読んだことがあったが、翌日の早朝に奈良公園を散歩していて、今にも鹿が話し出すのではないかと思ったこともあった。それもまた、旅先での楽しい過ごし方なのだろうと思う。

一方で、昔訪れたことのある場所が舞台の物語を読んでも楽しいし、あの時はこんなことをしたなと懐かしく思い出すことも多い。特に、とても良い思い出があったりわざわざ時間を作って訪れた場所だとなおさらだろう。今回も新聞の書評で見かけた話題の本の舞台が、私が以前訪れてとても素敵だなと思った場所であり、わざわざ足を運んだ店舗だったので迷わず購入して読んでみた。読んでみたら、評判通りのとても素敵な一冊だった。 

京都一乗寺 美しい書店のある街で (光文社文庫)

思いがけず出会ったのが、大石直起さんが書かれた 「京都一乗寺 美しい書店のある街で (光文社文庫)」という一冊。イギリスの新聞社ガーディアン紙が「世界でもっとも素晴らしい本屋10店」のうちの一店に選んだ書店”恵文社”やその周辺が舞台となっていて、心温まるミステリー短編4編が綴られた一冊だ。

内容(「BOOK」データベースより)

一乗寺に佇む、緑色の扉が印象的な書店―そこは訪れた人に様々な出会いを授ける。結婚を間近に控えた美咲には幼少時の記憶がない。朧な思い出の中に、夜闇で輝くウェディングドレスを見て…。(「夜の花嫁」)会社で無能扱いを受ける圭吾はある日、バールを買った。同僚の香織を殺すためだ―(「一乗寺のヒーロー」)。京都本大賞受賞の著者が描く、儚く美しい京都ミステリ4編。 

 物語は全てミステリー仕立てで、どの物語も意外な展開と意外な結末が待っていて、決してハッピーエンドとは言えないような物語も入っている。しかし、それでも読み終わった時に心の中に温かいものが流れてきて、京都一乗寺をまた訪れたいなと思わされるような内容ばかりだ。

私のように訪れたことのある人はこの本を読んで再び訪れたくなるだろうし、まだ行ったことのない方はどんな場所なんだろうと思い一度は訪れたい場所になるのではないだろうか。

世の中が落ち着いたらもう一度京都一乗寺に行き、前回は慌ただしく訪れた書店”恵文社”やその周辺もに今度はゆっくりと時間をかけて行ってみたい。そんなことを思った一冊だった。 

京都一乗寺 美しい書店のある街で (光文社文庫)

京都一乗寺 美しい書店のある街で (光文社文庫)

  • 作者:大石 直紀
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: Kindle版
 

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