近年はサウナブームの影響もあって銭湯や温浴施設への注目が高まっているが、実際には「どこへ行けばいいのか分からない」という人も多いのではないだろうか。
そんな人におすすめしたいのが、イカロス出版の「すごい銭湯100 (イカロスMOOK)」だ。
本書は全国各地にある魅力的な銭湯を100か所厳選して紹介したガイドブック。昔ながらの風情を残したレトロな銭湯から、デザイナーズ銭湯、天然温泉を備えた大型施設まで、そのラインアップは実に多彩だ。また、単なる施設紹介にとどまらず、それぞれの銭湯が持つ歴史や個性、建築としての見どころなども丁寧に解説されているため、ページをめくっているだけでも旅情をかき立てられる。
銭湯というと近所のお風呂屋さんというイメージが強いが、本書を読むと今や銭湯は地域文化の発信拠点であり、観光スポットでもあり、さらにはコミュニティの場でもあることがよく分かる。立派な宮造りの建物に圧倒される施設もあれば、アート作品のような内装で若い世代を惹きつける施設もあるので、同じ「銭湯」という枠の中に、これほど多様な世界が広がっていることに驚かされる。
また、本書の魅力は写真の美しさにもある。湯気が立ち上る浴場や趣のある外観、思わず立ち寄りたくなるロビーの風景などが数多く掲載されており、眺めているだけで銭湯めぐりの計画を立てたくなるし、寝る前に読むと心が落ち着くほどだ。実際に訪れる前の予習としても、旅の行き先を探すための一冊としても楽しめる内容だと思う。
銭湯好きはもちろん、これまであまり銭湯になじみのなかった人にもぜひ手に取ってほしい一冊。読めばきっと近くの銭湯に行きたくなり、さらには全国の「すごい銭湯」を巡る小さな旅に出たくなるかもしれない一冊だ。お風呂文化の奥深さと楽しさを再発見できる、まさに銭湯好き必携のガイドブックだと感じた。
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