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「あの日、君は何をした 」(まさきとしか)

書店の無い街には住めない。長い間そう思っていたが、今住んでいる最寄駅近辺には書店が一軒も無い。近くの商店街にも無いので、休日に書店を覗きたくなったら隣の駅にある大型書店に行くしか方法がない。10年近く前に引っ越してきた当時は駅のすぐ近くに小さいながらも書店があったのだが、2年ほどして閉店してしまったのだ。そりゃないよと思ったものの個人の力でどうにかすることが出来るわけもなく、それ以来書店の無い街に住み続けている。東京都内に住んでいても、都下ではこういう街が数多くありそうだ。 

しかし、最近転勤で職場を移ったところ、職場から徒歩数分のビルに大型書店が入っていた。コミックから文庫本、単行本、ビジネス書などありとあらゆるジャンルの書籍が山と並んでいて、本好きの私にとっては少女漫画のように目に星がキラキラと浮かんでくるようだ。数日に一度書店に足を運んでいるが、大型書店なので売れ筋の書籍ばかりではなく「書店員オススメの一冊」的な書籍がいろいろな場所に置いてあるのが楽しい。いつもは手に取らない作者の小説も、手書きのPOPを読んで「たまには知らない作家さんの本を読んでみようかな」という気にさせられる。

こういう出会いがあるからこそ書店通いはやめられなし、ネット通販では満足できな理由の一つだなと思う。

あの日、君は何をした (小学館文庫)

書店の平台で見つけて思わず買い求めたのが、”まさきとしか”さんの書かれた「 あの日、君は何をした (小学館文庫)」という一冊だ。

北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。

15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになる。

〔「BOOK」データベースより〕

 物語は連続殺人事件の容疑者と間違われて事故死した少年の話と、その15年後に発生した若い女性の殺害事件の2部仕立てとなっている。

15年前の事故では幸せだった家庭が一晩で崩壊し、息子を失った母親の狂気に恐ろしさを感じる。また、15年後の女性殺害事件では、妻の様子や義母の行動などに疑問や恐さを感じながらもいろいろな出来事が徐々に繋がっていくことに驚きを隠せなかった。

15年前の事件と15年後の事件が、どこでどのように繋がるのかが全くわからなかったし、事件を追う刑事の行動や過去なども含めて終盤でいろいろなことが一気に繋がっていくことに驚いた。

ミステリー作品ではあるものの、家族のあり方や子育てのあり方など、様々なことを考えさせられる一冊だった。物語の後半になるに従って、何回も前半のページを読み返してしまったが、それほど巧みな伏線とストーリー構成だった。

読んで良かったと思える一冊だ。

あの日、君は何をした (小学館文庫)

あの日、君は何をした (小学館文庫)