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【オススメの一冊】「爆弾」(呉 勝浩)

皆さんは本を選ぶ時際に、どのような情報をもとにして選んでいらっしゃるでしょうか。書店の平台に並べられているものを覗いて決める方もいらっしゃれば、お気に入りの作家さんの本を選ぶ方やテレビやネットなどで評判の書籍を選ぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もテレビや新聞などで評判となっている書籍を選ぶことが多いのですが、なかでも「本屋大賞」にノミネートされた書籍は折を見て読むようにしています。書店員さんが選ぶ書籍はだけにどれも面白いものばかりで、対象に選ばれた本だけではなく受賞作品以外のノミネート作品も、どれも素晴らしい物語ばかりだなと思います。今回、遅まきながら2023年の本屋大賞にノミネートされた作品を読みましたが、ついつい一気読みしてしまうほど面白い作品でした。

爆弾

呉 勝浩さんが書かれた「爆弾」も2023年の本屋大賞にノミネートされた作品で、「このミステリーがすごい! 2023年版」(宝島社)、「ミステリが読みたい!2023年版」(ハヤカワミステリマガジン)の2冠に輝いた作品でもあります。

些細な傷害事件で野方署に連行された中年男。スズキタゴサクと名乗る男は、とぼけた見た目で自分自身を卑下する情けない雰囲気だった。酔っ払って酒屋の店主に暴行をしただけの男だと思っていたが、取調べの最中に「私は霊感がある。10時に秋葉原で爆発がありそうだ」と予言し、実際に秋葉原の廃ビルで爆発が発生。さらに男はとぼけた言い方で「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と予言。男は記憶喪失だ、霊感が働くのだとのらりくらりと話を進めるが、徐々に取調管との心理戦を進めるようになる。東京の各所で爆発が起こることを予言する男との心理戦に、警察はどのように対処するのか。

この物語は、スズキタゴサクと名乗る中年男性と警察官との取調室でのやり取りが中心となっていますが、中年男性の正体が徐々に明らかになるについて、とぼけた男というイメージから薄気味の悪い男というイメージに塗り変わってきます。また、この男の心の中にある「闇」が実は私たちの中にもあるのではないかという気にもなってきて、じわじわとした恐怖を感じる作品でした。

今までの刑事物のミステリー作品とは一線を画したこの物語を読んで、個人的には映画「羊たちの沈黙」で感じた恐怖を思い出しました。オススメです。

爆弾

爆弾

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