昔から「必要は発明の母」という言葉があるとおり、必要だからこそ新しいものが生まれるというのは真実だろう。先日も、とあるテレビ番組でちょっとしたことから生まれたヒット商品が紹介されていた。
身につけて歩く文房具
一見するとただの一枚のプラスチック板。または、小さな靴べらだと思うかもしれない。ところが、これがものすごい勢いで売れている文房具だというから驚きだ。
商品名は「ウェアラブルメモ「消せる」タイプ 」。その名のとおり、身に付けられるメモだ。“ウェアラブル”という単語には、“ウェアラブルコンピューター”のように最先端科学のイメージがある。しかし、この商品はとてもアナログな文房具でありながら、身につけられるという最新の使い方ができるのだ。
商品の特徴は、何と言っても腕に巻き付けられるという点だろう。子どもが夜歩くときに手足にパシッと着ける反射板のようなイメージだろうか。シリコンバンドで縦に反っているため、腕に軽く叩きつけるだけでクルッと巻き付く。
さらに特徴的なのは油性ボールペンで書いても、指や消しゴムで擦って消すことができるというところ。簡単に書いては消すことが出来るが、水に濡れても消えにくいので水場での使用も可能だ。目盛りもついているので、短い長さなら計ることもできる。
使用シーンは、病院の看護師さんや介護師さんが図った血圧などを記入したりする場面だろうか。また、買い物メモなどを書いておいて、出掛けるときにクルッも腕に巻いて出掛けるのも良いだろう。
いろいろなシーンで使えそうな道具だし、買ってから使うシーンを考えても楽しいかもしれない。
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作ったのは工業用フイルムメーカー
この商品を作ったのは、文房具とは縁の無い工場用フイルムメーカー株式会社コスモテックだ。シリコンの表面に特殊なフイルム加工がなされていて、そのためボールペンの文字も擦って消すことが出来るようだ。
業績不振に悩んでいた同社の社長が、診察のために病院に行き、看護師さんが患者さんの熱を手の甲に書いているのを見て思いついたのだとか。
まさに、必要は発明の母だが、その場面でこの商品を思いつくこと自体がすごいことだと思う。大切なのは常に考え続けることと、柔軟な発想だということだろう。