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「満月珈琲店の星詠み」(望月麻衣)

満月珈琲店の星詠み (文春文庫)

「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉がある。「占いは当たることもあれば当たらないこともある」という意味だが、それが分かっていてもついつい信じてしまうのが占いだ。いや、信じているというよりは一種のゲームのようなもので、だからこそ毎朝テレビで放映されている星占いや誕生月占いなどを見ては、「お父さんの今日の運勢は最悪だけど私はとっても良い日になるんだって」などとと妻が嬉しそうに話をするのだろうと思う。これが本当に占いを信じているのであれば、こんなに明るく「最悪の日だって」とは言えないだろう。たぶん。

そんな一喜一憂しがちな占いだが、星の動きを見て占う西洋占星術ホロスコープに関しては若干信憑性が高いなと感じてしまうのは私だけだろうか。星の動きで自分の性格や運命が決められるというのはにわかに信じがたいのだが、「星の動き」「宇宙の取り決め」となると神秘的な感じるのは私だけではないだろう。

望月麻衣さんが書かれた「満月珈琲店の星詠み」は、ホロスコープを題材とした不思議な物語だ。いくつかの短編が集まった連作短編集という形式だが、どの物語の主人公も一生懸命に生きながらも悩みを抱えた人ばかりだ。そんな人の前に満月の夜にだけ現れる満月珈琲店は、猫のマスターと店員が独特のスイーツやドリンクでもてなすだけではなく、悩みの元や解決方法などをホロスコープを使って教えてくれる。スイーツの名前も「水瓶座のトライフル」や「満月バターのホットケーキ」など素敵なものばかりだ。

コーヒーやスイーツが好きでいろいろな喫茶店も覗きに行くが、満月喫茶店が目の前に現れてくれるのであれば多少の悩みがあっても良いなと思ってしまう。人生60年近く生きてきたおじさんにさえもそんな素敵な空想をさせてくれるこの物語は、いろいろな世代の人にもふんわりとした優しい読後感を与えてくれるのではないかと思う。

ホロスコープ、試しにやってみようかな。

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