週初めに台風が通過した東京地方。翌日からはスコーンと晴れ渡った秋晴れの空が広がっている、今日10月8日は3年ぶりの皆既月食が見られる日。観測条件も良さそうなので、おのずと期待が高まってしまう。
月食は「月蝕」と書かれることもあるとおり、月が食べられていくような現象として昔から捉えられてきた。今では天体ショーとして笑顔で見上げられる月食も、昔は「不吉な予兆」としてとらえられていたのではないだろうか。
実際に「蛇の魔神が呑み込んだ」とか「狼の魔神が食べた」といった伝承が世界中に残っているようだが、日本を含めてそれほどセンセーショナルな言い伝えがないのは、やはり常に満ち欠けしている月だからこそだろうと思う。
■3年ぶりの皆既月食
10月8日は久しぶりの皆既月食が見られる! - おやこでポレポレ
先日もご紹介した今回の皆既月食。月が地球の影にすっぽりと入ってしまうために起こる現象だが、月が真っ暗になるわけではなく赤銅色に染まるような感じだ。3年前に見た時も、徐々にかけてきた月が最後はすべて地球の影に入り、赤銅色になっていく様子をしっかりと観察できた。
その際には写真撮影も行ったが、音もなく地球の影に入っていく月面を見ていると、地球というのはやっぱり宇宙空間に浮かんでいる星なんだなと、改めて当たり前のことに気がついた。
その瞬間は自分自身が宇宙の中で生かされているんだなという感慨を得たが、翌日からは再び毎日の生活の中に埋没してしまい、壮大な感覚というのが薄れてしまうのを思い出す。
だからこそ、こういう時にはしっかりと夜空を見上げて「宇宙観」のようなものを感じるのも大切だなと思う。
■天気も上々だという予報
今週の天気 8日の皆既月食は(日直予報士) - 日本気象協会 tenki.jp
きょうも本州付近は移動性の高気圧に覆われて、広く秋晴れとなりそうです。夜の皆既月食は広い範囲で見ることができそうです。ただ、北海道や東北北部では気圧の谷の影響を受けるため、一時的に雨の降る所があるでしょう。九州南部では湿った空気が入り、雨の降る所がありそうです。北海道や東北など冷え込んだ所もありますが、昼間は過ごしやすい陽気になる所が多いでしょう。
(http://www.tenki.jp)
再び台風が日本列島に向かってきているようだが、8日は北海道や東北の一部を除いて全国的に晴れ時々曇りの予報が出ているようだ。月食のピークは午後7時半から8時半にかけてなので、会社帰りや学校帰りに東の空に浮かぶ月を見てみよう。
満月が徐々にかけていく様子はなかなか不思議な光景だし、地球の影にすっぽりと入った月を眺めるのもなかなか無い貴重な機会だと思う。
◇皆既月食の時刻
部分食の始まり 18時14.8分
皆既食の始まり 19時24.6分
食の最大 19時54.6分
皆既食の終わり 20時24.5分
部分食の終わり 21時34.3分