CDやDVDなどを購入する際に「パケ買い」という言葉がある。パッケージに惹かれて買ってしまうことを指すが、本も同じく表紙の絵に惹かれて手に取るということが多々ある。表紙を含めた装丁で本の中身や雰囲気がわかることも多いので、装丁というのはかなり重要だなと思う。そういう意味では、紙の書籍は電子書籍では気づかない質感というか雰囲気を持ったものも多くて、思わず手に取って買ってしまうということも時々ある。

背筋さんが書かれた「口に関するアンケート」は、先日出かけた先で見かけて思わず買った一冊だ。見た目のデザインなどが気に入って買う「パッケージ買い(パケ買い)」という言葉があるが、メモ帳のような付箋紙のような大きさが珍しくて購入した一冊だ。もちろんそれ以前に背筋さんが書かれた「近畿地方のある場所について」と「穢れた聖地巡礼について」を読んでいて、とても面白い物語だったのでこの一冊も期待しながらの購入だった。
物語は、大学生5人がiPhoneに音声を録音していくという方式で進んでいく。山奥の心霊スポットと呼ばれる墓地に行き、そこで奇妙な体験をしたことが一人ずつの口述で進んでいく。そのうちの一人が数日後に死亡しているのが見つかるが、それに関しても大学生それぞれの話によって最初に語られていた内容から徐々に変化していく。そして最後のページですべての状況を読者が知ることになる。
全62ページのごくごく短い小冊子は、最初に読んだ時には結末が全くわからず首を捻ってしまった。しかし、最後の3ページを読み飛ばしていたことに気づき、再度最後の部分を読んでなるほどそういうことだったのかと理解することができた。短いながら、ぞくっとしてしまう一冊だ。おススメです。
