呉 勝浩さんが書かれた「法廷占拠 爆弾2」は以前ご紹介した「爆弾」の続編で、前作以上にどんでん返しの数々に驚かされる作品だった。
法廷に囚われた100人を、ひとり残らず救い出せ! 未曾有の連続爆破事件から一年。 スズキタゴサクの裁判の最中、遺族席から拳銃を持った青年が立ち上がり法廷を制圧した。 「みなさんには、これからしばらくぼくのゲームに付き合ってもらいます」 生配信で全国民が見守るなか、警察は法廷に囚われた100人を救い出せるのか。 籠城犯vs.警察vs.スズキタゴサクが、三つ巴の騙し合い!
「続編」の中には前作を読まなくても楽しめるものが多くあるが、この作品は前作を読んでいないと間違いなく面白さが減ってしまう。というよりも、スズキタゴサクの薄気味悪さも、女性警察官で証人として出廷している幸田沙良の心の揺れ具合も、説得役の掲示を補佐している類家刑事の想定外の能力も、いまひとつピンとこないかもしれない。もちろん、この作品だけ読んでも十分楽しめるのだが、逆に読み終わった時に前作を読んでみたくなること間違いなしだ。
前作の「爆弾」は取調室で繰り広げられるスズキタゴサクと刑事とのやりとりがメインで、「羊たちの沈黙」を思わせるような心理的不安感を感じさせられるストーリーだった。一方、今回の「法廷占拠 爆弾2」は裁判所で繰り広げられる事件がメインだが、心理戦を繰り広げるという点では前作同様に心理的不安感を感じさせられた。
物語は登場人物それぞれの視点で構成されていて、事件が進むについて少しずつ謎が解けていくのだが、後半から終盤にかけての展開が目まぐるしくてページをめくる手が思わず早くなってしまう。そして、こうなるのだろうと思ったことが何回もひっくり返されて、最後は思いもよらない結末を迎える。中盤までは新しい登場人物が中心の物語だと思っていたが、最後はやはりスズキタゴサクが中心だったのだということに気づかされて、良い意味で期待を裏切られた一冊。続きがあるならぜひ読みたい。そんな感想を持たされる一冊だ。
