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「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 」(志駕晃)

スマホは便利だが扱いがやっかいだ。やっかいだというのは使い方が分からないということではなく、落としたらたいへんだなという意味だ。アドレス帳管理はもちろんのこと、銀行振込やネットショッピングなどもスマホを利用しているので、落としたら個人情報が丸裸になってしまうという危機感がある。

また、近年では個人でもクラウド環境でのデータ保存が簡単にできるようになったので、メモに残さずスマホ経由でクラウドにデータを残すことも多い。スマホの中には各種IDやパスワードなども入っているので、スマホを落としたとたんに何もできなくなる恐れがある。

情報を集約することは利便性の向上につながるが、一種類の集約方法だけだと万が一の時に破綻する。大切なことは分散集約するのが安全なのだが、そうなると利便性が損なわれてしまう。その両方を満たす方法はないのかと考えているが、それがなかなか見つからない。

せめてスマホを無くさないように、クリップつきのストラップで胸ポケットに固定している。多少見た目が悪いのだが、なくすというリスクを考えると精神衛生上最良の方法だ。

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志駕晃さんが書かれた「スマホを落としただけなのに」は、映画化もされている大人気の小説だ。私もワクワクしながら一気読みしてしまった一冊だ。そして続編として発刊されたのが、今回ご紹介する「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」。映画の公開に合わせるように、書店の平台に置かれている。

物語の主人公は、サイバー捜査官の桐野良一。FBIも一目置くほどの優秀なシステムエンジニアだが、民間企業のSEとして得ていた高給を蹴ってまで転職してきたという変わり種でもある。

その桐野が巨大仮想通貨がらみの犯罪に駆り出されるのだが、そこで登場するのが前作で連続殺人を犯して逮捕された浦井だ。桐野と同等かそれ以上の知識と技術を持つ浦井は、桐野に協力する姿勢を見せる。その真意は何なのか。仮想通貨事件とも絡んで、大きな流れの中に桐野は巻きこまれていく。

前作と違ってスマホは落とさない。前作で落としたスマホの延長線上で、桐野が大きな犯罪に巻き込まれていくという設定だ。スマホの情報から一人の女性が追い詰められていく前作も面白かったが、それ以上に広大なネットの世界で繰り広げられる攻防も迫力とスピード感があって面白い。

前作がすぐ身近に潜むサイバー犯罪だとすると、本作は社会全体が混乱して結果的に自分にも害が及ぶという怖さを感じる。前作同様に一気読み必須の一冊だ。前作もぜひ読んでいただきたい。

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)