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「大河への道」(立川志の輔)

若い頃はバイクに乗っていたので、頻繁に地図を見ていた。当時は400㏄の単気筒バイクでいろいろな場所に出かけていたが、頼りにしていたのはタンクバッグに入れたツーリングマップだった。今でこそスマホでルートガイドが出来るようになったが、当時は出発前に地図を見て、ある程度のルートを頭に入れておき、行く先々のランドマークで方角や通る道を確認しては進むという方法を取っていた。

今では目的地を入力するだけで、自動的にルートを検索して案内をしてくれる。それでも地図自体は必要なので、定期的に見直されているのだろう。見直し方法は様々で、GPSや航空写真、衛星写真などが使われているが、ここぞという部分は人の手によって現地調査がなされているのだとか。今も昔も、地図作成には手間ひまがかかっているようだ。

大河への道 (河出文庫)

立川志の輔師匠が書かれた「大河への道 (河出文庫)」は、創作落語のために作られて映画にもなっている物語。日本で初めて日本地図を作った伊能忠敬をテーマとした物語だが、歴史小説ではないところがなかなか面白い設定だ。

物語の舞台は千葉県香取市の香取市役所。香取市には伊能忠敬が当主を務めた伊能家が残されており、また伊能忠敬記念館が作られているなど、伊能忠敬に関する史跡や歴史的資料が残されている土地柄だ。

千葉県香取市では観光活性化のために様々な取り組みを検討しているが、総務課主任の池本がひょんなことから「NHKの大河ドラマで伊能忠敬を取り上げてもらおう」という企画を提案し、実際にそのプロジェクトを推進していくことになる。提案にあたって若手脚本家の加藤にプロットの作成を依頼するのだが、打合せのために伊能忠敬のことを詳細に調べはじめたところ、次々と思いがけない事実が浮かび上がっていく。そして、それらを踏まえて完成したブロットは、大どんでん返しとも言える結末となっていた。

物語は現代の市役所を舞台としながら、伊能忠敬が生きていた江戸時代の出来事も書かれていて、現代劇と時代劇とが交互に展開されるという方式がとられている。

そして迎える結末は、落語ならではのほろっと来る人情交じりの大どんでん返しだ。読み終わった時に、ほーっとためいきが出るような素敵な物語だった。

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