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聴覚障がい者と健聴者とのコミュニケーションアプリ「こえとら」を使ってみた

  聴覚障がいの方とコミュニケーションを取る方法として、まずは思い浮かぶのが手話だろうか。それ以外にも空中に文字を指で書く「空書」や、紙などに字を書く「筆談」などがあるが、スマホを使って簡単にコミュニケーションがとれるアプリがあったので試してみた。

■スマホでつかえるコミュニケーションツール 

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 スマホを使った聴覚障がいの方とのコミュニケーションツール「こえとら」というアプリ。無料でダウンロードすることができる。

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 トップ画面を開くと色々な機能が用意されているが、基本的には「会話」機能を使うことが多いだろうと思う。ほかにも「チャット」という機能があるが、昨今ではLINEなどのSNSがあるのでそちらを使ってい人が多いのではないだろうか。

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 「会話」機能には定型文が用意されているほか、文字入力によって筆談を行うことができるようになっている。会話を入力するとそれに対する答えを入れられるようになっていて、こちらも定型文と直接入力を選ぶことができる。

 直接入力には音声入力とキーボード入力、手書き入力などいくつかの方法が用意されているが、個人的には「音声入力」がとても使いやすいと感じた。最近ではスマホの音声入力機能の精度があがってきているので、手軽さという点では他の方法よりも優れている。逆に音声入力ができない聴覚障がいの方は、ワンタッチで選べる定型文入力が重宝するだろう。

 そのほかにも地図を使って返事をすることができる機能も備わっていて、日常会話を行うには必要最低限の機能を備えていると感じた。職場のろうメンバーに使用感を訪ねてみたが、健聴者とやり取りをするのに便利だと感じたようだ。

 スマホは常に持ち歩いている道具だけに、わざわざ機械を用意する必要もなく手軽に使うことができるので、健聴者は聴覚障がい者との会話に備えて、聴覚障がい者は困った時用にダウンロードしておくと便利ではないだろうか。

■障がいを理解することから始めよう

 聴覚障がいの方はほとんどの方が手話を使えると思いがちだが、実際には聴覚障がい者(障害者手帳取得者)全体の15%弱という数字がある。ちなみに視覚障がいの方で点字をつかえる方も10%弱なので、手話・点字ともに使える人の方が少ないというのが実態だ。

 そういったことを含めて、それぞれの障がいを理解するということはとても大切なことだ。障がい者への対応というと、とかく「フォローしなくてはいけない」という気持ちが先行してしまい、障がい当事者が本当に必要としているフォローと違った方法を対応してしまうことがある。

 聴覚障がいで例えてみると、手話も日本手話と日本語対応手話とがあり、どちらを本人が得意としているかで対応方法も変わってくる。また、音が聞こえないので会議棟では発言者が手をあげてから発言するなどの対応も必要となってくる。

 こういったことは障がい理解のための研修でも学ぶことができるが、一番良いのは当事者本人に「どういった対応が良いか」ということを聞いてみることだろうと思う。コミュニケーションを図っていく中でそういったことは自然と話題になってくるので、今回ご紹介したアプリなどを使って聞いてみるというのも一つの方法だ。  相手を理解して適切な対応を行う。簡単なことではないだろうが、必要なことだと思う。

 今回ご紹介したアプリのことを知ったのはこのブログを拝見してのこと。聴覚障がい者だけではなく、高齢者とのコミュニケーションにも役立つと書かれている部分を拝見して、なるほどその通りだなと感心した。

 さっそくダウンロードして職場の聴覚障がいメンバーと使ってみたが、手軽に使えるところが健聴者、聴覚障がい者双方にとってのメリットだと感じた。今後もこういったアプリがたくさん開発されることを望みたい。