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繰り返し読んでしまう傑作、「ワンダフル・ライフ」(丸山正樹)

つい最近NHKでドラマ化された、丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 」。手話を学ぶ者にとっては必読の一冊ですが、それ以外にも丸山正樹さんは刑事物だったり社会はミステリーだったりと幅広い内容の物語を書かれています。その中でも、衝撃的で心揺さぶられる一冊が文庫化されました。

ワンダフル・ライフ (光文社文庫 ま 29-1)

今日ご紹介させていただくのは、「ワンダフル・ライフ (光文社文庫)」という一冊。「読書メーター of the year2021」で第1位に選ばれた物語です。

この一冊は4つの物語から構成されてます。事故によって重度の障害を負った妻を献身的に介護する夫、編集者の妻と将来の家について相談し悩む設計士、ネットの世界で独自の世界観と的確なコメントを綴る車椅子の男性、そして福祉の世界に興味を持ち真摯に取り組む女子大生。それぞれの物語が「人としての尊厳」や「人生の哀しさ」、「生きていく上での大切なこと」などを読む者に問いかけてきます。そして、最後には4つの物語が意外な形で一つにまとまるのですが、さらに最後の数ページで衝撃を受けると共に頭が混乱してしまう一冊です。

ネタバレになってしまいますので詳しく書くことができませんが、ネタバレ覚悟で書こうとしても何をどう整理してお伝えすれば良いかが分からない。二度三度読んで、ようやくなるほどそうなのかと納得しつつも、なんとなく納得できない。そんなもどかしい感想を持つ一冊です。

丸山正樹さんは最新作「夫よ、死んでくれないか」でも今までとは趣の異なる内容を書かれていますが、一貫しているのは世の中に当たり前のように存在している「理不尽」を問うていることだと個人的には感じています。それを著者の作品の中で一番感じたのがこの一冊でした。オススメです!

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