気分はポレポレ よろず情報ブログ

大好きな文房具や書籍、日常のことなどを随時更新中です!

感情移入必至!知念実希人の一気読み必須作品「となりのナースエイド」

元来、体が丈夫な方で、病気や怪我で入院することなく過ごしてきた。しかし、数年前に盲腸近くに腫瘍が見つかり内視鏡手術をすることになったのだが、腫瘍のできた場所が腸壁が薄い場所だったので大事をとって入院しての手術となった。入院と言っても一泊だけだったのだが、生まれて初めての入院だったので平気な顔をしつつも少々不安だった。

手術自体は、麻酔でうとうととしているうちに無事に終了。入院棟に戻ってきてあとはひたすら安静にしてるだけだった。慣れない病室だったことや一晩中点滴をしていたため眠りが浅く、うとうとしては目を覚ますと言うことを繰り返していたのだが、夜中に看護師さんが来て点滴の様子を見たり取り替えたりしてくれるのをみて、大変なお仕事だなと思うと共にとてもありがたいことだなとも思った。看護師さんなど病院で働く方々の大変さは知識として知っていたが、実際にお世話になることでさらにその大変さを実感した初入院だった。

となりのナースエイド (角川文庫)

知念実希人さんが書かれた「となりのナースエイド (角川文庫)」は、病院で働く新人ナースエイドが主人公の物語だ。

新人ナースエイドの桜庭澪は、星嶺大学医学部附属病院の統合外科病棟に配属された。ナースエイドとは看護助手とも呼ばれることのある仕事で、看護チームの一員として看護師が行う医療行為以外の仕事を行う。シーツ交換や入浴、食事介助など患者の身の回りをサポートする仕事なので、看護チームの一員として看護師とともに患者に最も近い位置で仕事をすることになる。澪は訳あってナースエイドの仕事を選んだのだが、技術至上主義の天才外科医である竜崎大河ぶつかりながらも、患者に寄り添った対応を行うことで医療事故を未然に防ぐなどの活躍をする。しかしある日、澪の住む部屋が荒らされるなど不穏な出来事が発生する。そして徐々に大きなトラブルに巻き込まれていくことになる。

「ナースエイド」という職業はこの物語を読んで初めて知ったが、単に患者の世話や病院内の雑務を行うだけではなく、患者一人ひとりに寄り添っていく仕事なのだということを感じた。「職業に卑賎はない」と言われるが、組織の中では役割によってどうしてもヒエラルキーができてしまうもの。ナースエイドという仕事も、資格が必要ではないだけに医療スタッフの中では雑用係として扱われることも多いのだろうが、そういった仕事に注目させてくれるこの物語はそれだけでも価値があるのではないかと感じた。もちろん、医療現場でのトラブルや謎などがふんだんに盛り込まれていて、ミステリー要素も相まって一気読み必須の物語だ。

知念実希人さんの書かれる物語は、登場人物一人一人の個性が際立っているからこそ感情移入ができて、ハラハラしながら一気読みしてしまうのだろうと思う。オススメの一冊だ。

にほんブログ村 雑貨ブログ ステーショナリー雑貨へ
いいねと思ったらポチッと応援をお願いします!