毎年お盆休み前後には実家のある九州の地方都市に帰省し、誰も住まなくなった実家の手入れをしたり墓参りをしたりするのが恒例だった。しかし、今年はさすがに東京からの帰省がはばかれるので、休みは取ったものの近所への買い物がせいぜいだった。
2020年のお盆だからこそできた自由な時間の使い方
休み中は好きなときに好きな本を読み、日が陰ってからトコトコとジョギングを行い、妻と話をしながらコーヒータイムにしたりと、これはこれで今までにない楽しい時間を過ごせた。考えてみれば、今までは「長い休みだから帰省しなくてはいけない」と自分で忙しくしてしまっていたのかもしれない。
もちろん、墓参りができなかったり実家の様子を確認できなかったりと心残りはあるが、「好きなことに時間を使える幸せ」を感じることの出来る貴重な期間だった。
また、我が家は一人息子が昨年の春に就職し一人暮らしを始めたので、妻と二人の生活が二年目に入っている。普段から会話が多い夫婦だと自認しているが、さらに色々なな話をとりとめもなくすることができたのも良かった。「2020年の夏はのんびり出来たよね」と話せる日が来るのが楽しみだ。
いつものお店で自由に買い物が出来る幸せ
お盆時期に前後して休みを取ったが、お盆が過ぎの平日に夫婦で買い物に出かけた。普段は近所で買い物を済ませているが、今回は久しぶりに大型店舗が揃った街に車で出掛けて、服や生活用品など色々な買い物をした。
妻は緊急事態宣言以降、買い物は近所で数日分をまとめて済ませるなど感染リスクの低減に努めている。そのため、春先から「のんびりと買い物をする」ということは行わず、必要なものを必要なだけ買うという買い物スタイルを取っている。
今回も同じように必要なものをメモして持参し、それを買うといういつも通りの買い物だったのだが、ふと思いついていつも買っていたお惣菜屋さんで夕食のおかずを数品買い求めた。
その日の夜、晩ごはんを食べながら妻がつぶやいたのが「お惣菜屋さんでいつも買っていた大好きなおかずを、いろいろ選びながら買ったのが楽しかった」という一言だった。また、「いつものお店で以前のようにお総菜を買って、ああこれが今までの日常だったんだなと思った」とも話していて、まさにその通りだなと思った。
そんな他愛もないことを幸せに感じるほど、今の世の中はやはり普通ではない状態だし、だからこそささやかな幸せを自ら探して確認して、地道に生活することが大切なんだなと感じた。
色々な意味で、貴重な夏休みを過ごすことが出来た2020年の夏休みだった。