新型コロナ対策でいろいろな新しい方式が取られるようになった。そのひとつに、宅配便での荷物の受け渡し方法がある。いわゆる「置き配」という方式で、宅配ボックスのある家やマンションであればその中に入れてもらい、宅配ボックスのない家やクール便、大型の荷物などボックスに入らない品物の場合には玄関前に置いてもらうという方法だ。
家に居るのにインターホンで「そこに置いてください」とお願いすることはこれからの新しい生活様式として定着するのだろうが、そのことに罪悪感を感じる方も少なくないだろう。そんな時に、配達の方に感謝の気持ちを伝える張り紙が話題となっている。
玄関先に貼る「ありがとうの張り紙」
よかったらお使い下さい pic.twitter.com/oNWsWFQ13C
— 小林マキ (@ikam1225) 2020年4月10日
Twitterで話題になっているのが、イラストレーターの小林マキさんが書かれた「ありがとうの張り紙」だ。小林マキさんは以前から「置き配」での宅配を活用されていたが、そのことに対して感謝を伝えるためのイラストを玄関に張った。そのことをTwitterに載せると評判となり、多くの人がこの張り紙を利用するようになったそうだ。
小林マキさんはプロのイラストレーターだが、この張り紙に関しては無料で使うことを許可されている。ありがたいことだ。シンプルなデザインの中央には感謝の気持ちを伝えるメッセージが書けるようになっており、色鉛筆などで彩色するとさらに素敵な雰囲気になりそうだ。
我が家でもさっそく印刷して彩色し、玄関に張らせていただいた。ちょっとしたことだが、こういった相手に対する思いやりと心遣いというのは大切にしたいと思う。
ちょっとしたコメントに心が和む
私は中学、高校とアルバイトで新聞配達をしていた。兄弟が多かったこともあって、自分の小遣い分ぐらいは自分で稼ぎたいなと思い始めたのだが、ある一軒のお宅で時々「新聞配達員くん、毎朝おつかれさま」と書かれた紙がポストに張ってあった。常に貼ってあるのでは無く、翌日にはその紙が無くなっていてまたしばらくすると「新聞配達員くん、寒いのにありがとう」と書かれた紙が張られていた。
九州の片田舎の新聞配達だったので一軒ごとの距離が離れていて、まだ暗い時間に配達するのは大変だったが、そういった励ましの言葉が書かれているのが子ども心にもとても嬉しかったことを今回の『ありがとうの貼り紙』で思い出した。
世の中全体が辛い時期だからこそ、相手に対する感謝と思いやりの気持ちを忘れない。人として大切なことだと改めてそう感じた。