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名著「The Sense of Wonder(センス・オブ・ワンダー)」(レイチェル・カーソン)を改めて読み返してみた

今週のお題「読書の夏」

 本好きなので年間で数多くの書籍を読むが、心に残るものというのは案外少ない。もちろん、題名を聞けば「これは面白かったな」と思い出す本はたくさんあるが、ふとした時に思い出すような心に残っている本というのはそれほど多くはないだろう。

 先日、とある会合で知り合った方とお話をしている中で、私が「心に残っている本」の話が出て大いに盛り上がったので改めて読み返してみた。心に残っている本は、何回読んでも何回でも心に染み込んでくる。

名著「センス・オブ・ワンダー」

センス・オブ・ワンダー

 久しぶりに読み返したのは、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」という一冊。この一冊は私の中では珠玉の一冊だ。「沈黙の春」で化学物質の恐ろしさについて、世界に警鐘を鳴らしたレイチェル・カーソン。その遺作として友人らによって出版されたのが、世界中で読み継がれているこの名著だ。

 物語の舞台は彼女が幾度となく夏休みを楽しんだ、メーン州の海岸と森。後にレイチェルの養子となる彼女の姪の息子ロジャーと過ごした夏の様子が、まるでその情景が目の前に浮かぶように優しく綴られている。

 虫の音に耳を澄まし、風の音を静かに聴き、大地のぬくもりや潤いを身体中で感じる。ロジャーのそういった素直の感性を目の当たりにして、一緒に森や海岸の探検をする様子が優しく伝わってくる。

 そして、彼女が最も伝えたかったのが、子ども達が生まれながらに持っている「神秘さや不思議さに目を見はる感性」、すなわち「The Sense of Wonder」の大切さだった。また、その感性を失わないように感動を共感してくれる大人が一人でもそばにいることの大切さも、彼女が伝えたかったことだ。

 いつ読んでも、何回読んでも感じ入ることの多い一冊。この本を読み返す機会をいただいたことに感謝している。 

本の話から考え方の話にまで発展する楽しさ

 私は本好きなうえに話し好きなので、好きな本の話になると実に熱が入ってしまうという厄介な性格だ。年相応に周囲の空気が読めるようになったので、周囲の関心が薄いと感じればそれなりに自制することができるが、若いころはかなり面倒なタイプだっただろうと思う。

 今回「センス・オブ・ワンダー」の話が出た際には、本自体の良さについて語り合うと同時に、内容を踏まえたうえで思考が発展するような会話になった。本好き、話し好きの私でも、ふと立ち止まって自分の思考を振り返るような、そんな興味深い会話だった。

 「センス・オブ・ワンダー」の中で出てくる「ワンダー」は何を指しているのか、そこに覚えた共感を行動に起こすためには、どのような取り組みをすれば良いのか、感動を共有してくれる大人を育てるにはどうすれば良いのかなど、深い話ながらも楽しく語らうことができた。

 それほど長い時間ではなかったのもの、個人的には非常に有意義な時間であると同時に新鮮な感覚を覚えたひと時だったし、私の読書というのは「単に書を読む」ということだったんだなと気付かされた。

 書を読んで感動したり自分の知識として蓄積することも楽しみの一つだが、さらにもう一歩発展して自分の行動や思考にどう反映するのかを考えるのも面白い。私にとっては新鮮な感覚だし、とても嬉しい発見だった。そういった新たな気づきをいただけことにも心から感謝したい。

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー