シャープペンシルといえば私が子どもの頃には高嶺の花であり、高校生になると使うことのできる文房具というイメージだった。今では小学生でも塾などではシャープペンシルを使うこともあるらしく、コンビニや100円ショップなどでも安価なシャープペンシルが売られているくらい手軽なものとなった。
また、私が子どもの頃を過ごした昭和40年代には、毎朝学校に行く前に鉛筆を削って筆箱に入れ、鉛筆が短くなったら専用の道具で持ちやすいように工夫して使っていた。学校で使う鉛筆の濃さはＨＢと決められていて、２Ｂの鉛筆は小学校低学年が書き方の練習として使うものだった。
ところが、最近では鉛筆でもシャープペンシルでも主流は２Ｂで、ＨＢの鉛筆は徐々に生産を少なくしているという話がラジオで流れていた。
HBの鉛筆や替え芯が姿を消しつつある
文房具好きとしては街の文房具店を見て歩く機会が多いが、ボールペンやシャープペンシルのコーナーは見ることがあっても、鉛筆を置いてある棚は見ることが少ない。「HBの鉛筆が使われなくなった」という話を聞いて大型文具店の棚を見てみたが、なるほど2Bなどはたくさん置いてあるのにHBはほとんど置いていない。
ラジオの情報によると、以前は全体の50％以上を占めていたHBの鉛筆が、今では10％程度しか棚に並べられいない店舗も多いらしい。
昔は鉛筆といえばHBと決まっていたのだが、最近では小学校でも2Bを推奨しているようだ。理由としては2Bの方がはっきりと書けることや、筆圧をかけなくても書けるからということらしい。また、昔に比べて2Bの芯でも線がボケずに書けるようになったため、使いやすい2Bが主流となっきたようだ。
情報の中では「子ども達の筋力が落ちてきて筆圧が弱くなってきた」という話もあるが、芯の柔らかい鉛筆を使っているから筆圧が弱くなったのか、筆圧が弱いから2Bを使うようになったのかは定かではない。
個人的にはマークシート方式が普及してきたことも、芯の柔らかい鉛筆が普及してきた一因ではないかと思っている。マークシートの用紙には「HB以上の鉛筆でマークするように」という注意書きが書いてあると思うが、書きやすさと消しやすさを考えると2Bの鉛筆やシャープペンシルの芯を使う方がやりやすい。
私も毎年何らかの資格試験を受けているが、最近ではマークシート用のシャープペンシルも発売されていて、芯は柔らかめのものになっている。世の中的には「鉛筆やシャープペンシルの芯は2Bが主流」ということになってきているのだろう。
こんな鉛筆やシャープペンシルも面白い
文房具好きにとっては鉛筆もシャープペンシルも大切な筆記具だが、万年筆やボールペンに比べると興味の度合いは少し下がってしまう。それでも最近ではいろいろなタイプのものが発売されていて、文具店の棚を覗くだけでも楽しい。
北星鉛筆の「大人の鉛筆」は木製のシャープペンシルだが、芯が太くて削って使うという面白い商品だ。シャープペンシルの手軽さと鉛筆の書き心地を併せ持った商品で、シャープペンシルと鉛筆の良いところ取りというキャッチフレーズも購買欲をそそる。
私が特にお気に入りなのが「マークシート用のシャープペンシル」。マークシートを記入する以外の使い道がなかなか思いつかないというところが、なんだか潔くて良いなと思う。何かに特化した商品というのは、一本気な人を見ているようでなかなか良いのである。
何事も基本が大切だ
小学校低学年の頃には「書き方鉛筆」というものを使っていた。今でもこの商品は健在だが、三本の指でしっかりと持つことができるうえに、正しい鉛筆の持ち方が身につくという鉛筆だ。芯は柔らかめの2Bが主流で、なかには6Bというとても柔らかい芯を使っているものもある。
近年、鉛筆の持ち方とお箸の持ち方がしっかりとできない子どもが多いという話を聞くが、幼少期に基本となる持ち方を覚えられるかどうかが大切な要因だ。持ち方が悪くてもきれいな字を書いたり上手にお箸を使うことはできるだろうが、持ち方が正しい方がより上手だということは言うまでもないだろう。
鉛筆の持ち方だけではなく、スポーツなども含めて何事も基本が大切なんだろうと思う。
