おやこでポレポレ《文房具好きブログ》

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「活版印刷三日月堂 海からの手紙」(ほしお さなえ)、今回もまた活版印刷の良さに惹きつけられる物語

文房具好きの人の中には活版印刷が好きな人も多い。私もその一人で、以前活版印刷のワークショップに参加したこともあるが、文字がデータではなく形として実在すること自体に感動したことを思い出す。そんな感動的な体験を思い出させてくれる物語が、シリーズ第二弾として発表された。今回も胸に響く素敵な連作短編集だ。

活版印刷所を中心に繰り広げられる心温まる連作短編集

「活版印刷三日月堂 海からの手紙」表紙

つい先日の2017年2月3日に発売されたのが、ほしおさなえさんが書かれた「活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)」という物語。昨年6月に発売された活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)の続編という位置付けだが、前作を読んでいなくても十分に楽しめる内容だ。 

小江戸と呼ばれる埼玉県の川越。週末ともなると観光客で賑わう"時の鐘"のすぐ近くには、古くからの小さな活版印刷所「三日月堂」がる。一時は休業していたのものの、孫娘の若く物静かな店主・弓子が祖父の跡を継いで操業を再開してた。三日月堂に訪れるのは、何かに迷っていたり心に何かしらの隙間がある人々が多い。そんな人々が活版印刷を知り、活版印刷に触れることによって大切なことに気づき、大切なことを掴んでいく。

<目次>
ちょうちょうの朗読会、あわゆきのあと、海からの手紙、我らの西部劇

「活版印刷三日月堂」は静岡書店大賞を受賞するとともに、ブクログ1位、読書メーター1位など、心温まる物語として読者から反響のあった物語だ。今回はその第二弾。続編になると内容が面白くなくなることもあるが、今回の続編は前作同様に心温まる物語だった。

活版印刷はご存知のとおり活字を一つずつ拾っていく印刷方法だが、物語の内容もまた言葉を一つずつ大切にしながら進んでいくという内容だ。だからこそ、活版印刷の良さと物語の内容の良さとが混ざり合って展開していくのだと思う。

活版印刷が好きな方や活版印刷を体験した方にとっては、機械の音やインキの香りなどを思い浮かべながら読むことのできる一冊だろう。また、活版印刷をご存じない方にとっても、なるほどこういう印刷があるんだなととても興味深く読める一冊だと思う。

読後に心のが温かくなり、活版印刷で刷られた印刷物を一目見たくなる一冊だ。 

([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

 

活版印刷で色々なものを作ってみたい

活版印刷用の活字

冒頭にも書かせていただいが、以前活版印刷のワークショップに参加させてもらったことがある。 もう2年半ほど前の話だ。それまでにも活版印刷で作られた印刷物に触れる機会はあったのだが、実際に自分で印刷を行ったことはなかった。

ワークショップ当日は活字を一つ一つ拾い、文字の間を埋めて配置を決め、それを固定して手作業で印刷する。そういった地道な作業を体験させていただき、活版印刷の素晴らしさを一気に感じることができた。

日頃からパソコンでパタパタとブログを書いているので、文字はあくまでもデータだというイメージを持っていた。しかし、「活版印刷の現場には一文字ずつ実体が存在する」という新鮮な衝撃を受けた。私が子どもの頃には活版印刷が主流だったはずだが、それをすっかり忘れていた。

文字を拾う

私が自宅ではMac使っている理由の一つは、文字のフォントがとても綺麗だからだ。もう20年以上前から自宅ではMacを使っているのだが、昔は今以上にMacで表示される文字フォントの美しさが際立っていた。

活版印刷で刷られる文字も同様だ。データとして画面に表示されたものを印刷する方式と違い、活版印刷で刷られた文字には存在感がある。ドットが並んでできた文字と違い、一文字一文字がそこに存在しているという主張がある。

だからこそ、個人的に色々なものを活版印刷で作ってみたいと思うし、再度活版印刷の世界に触れる機会を作りたいと思う。