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昔ばなしがミステリーに!「むかしむかしあるところに、死体が」(青柳碧人)

昭和の後半を生きてきた私世代には、テレビの「まんが日本昔ばなし」から大きな影響を受けた。昔ばなしは絵本や童話で見聞きしていたが、アニメになることでぐぐっと昔ばなしの世界に引き込まれていった。ナレーションの市原悦子さんと常田富士男さんの語り口も独特で、何回も見聞きした昔ばなしがとても新鮮に感じたことを覚えている。

当時はテレビ番組にうるさい親が多くて、教育上良くないとされた番組はなかなか見せてもらえなかった。我が家もご多分に漏れずテレビには厳しくで、当時の超人気番組「8時だョ!全員集合」などもしぶしぶ見せてもらっていたという感じだ。もちろん、すべてのチャンネル権は父親にあったのは言うまでもない。

それでも「まんが日本昔ばなし」は特別で、家族揃って楽しく見たことを思い出す。私たち兄弟にとってはワクワクする内容で、両親にとっては懐かしい内容だったのだろう。おかけで、本では知り得なかった日本各地の昔ばなしも知ることができ、ますます昔ばなしを好きになっていった。

むかしむかしあるところに、死体がありました。

昔ばなしをモチーフにした話題の一冊が、青柳碧人さんの書かれた「むかしむかしあるところに、死体がありました。」という物語だ。誰もが知っている昔ばなしをベースにしたミステリーなのだが、パロディ物ではなくれっきとしたミステリーだ。

この一冊には「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の5編が収録されている。

誰もが知っているお話と登場人物、誰もが知っているストーリーや個性的な道具。それらが、密室殺人の舞台となったり謎の連続殺人になったりするのだ。そして、事件の謎を解く鍵が個性的な道具であったり昔懐かしいエピソードだったりする。ひとつの話が終わる度に、なるほどねと膝を叩きたくなるほど絶妙な謎解きなのだ。

そして、短編を読み進めるうちに感じてくるのが、物語同士の繋がりや一体感だ。そして、最後の一話を読んだときに初めて全てが繋がり、ストーリー展開の巧みさに思わず唸ってしまったぐらいだ。

この物語を読むことで、昔ばなしの登場人物がさらに生き生きと感じてしまうような、そんな不思議な感覚も覚える一冊だった。

むかしむかしあるところに、死体がありました。

むかしむかしあるところに、死体がありました。