印鑑を重要視するのは日本独特の文化のようだが、それでも近年ではサインで済むことも多くなった。住民票などの公共的な資料を作成するときにはまだまだ印鑑が必要だが、企業によってはすべてサインで済ませるという会社も多くなってきている。
手軽に使えるネーム印も「正式な手続きには使えない」とされているが、宅配便を受け取ったり会社で見積書などに検印をするときなどには重宝されている。
ネーム印と言えばシヤチハタ
朱肉を使わずポンポンと押せるネーム印。ほとんどの方が使ったことがあるかと思うが、ネーム印と言えばシヤチハタだろう。
1925年(大正14年)に舟橋商会として創業したシヤチハタは、インキを補充せずに使える「万年スタンプ台」を開発した。当時としては画期的な発明だっただろう。1965年(昭和40年)にはスタンプ台のいらない「Xスタンパー」を発売し、3年後の1968年にネーム印の発売を開始した。これも当時としては画期的な発明だっただろうし、50年前に既にネーム印が登場していたというのは驚きだ。
現在では個人情報保護用のスタンプ「ケスペタ」や幼児に手洗いを教えるためのスタンプ「おててポン」など、個性的な商品も手がけている。
「ポンと押す」ということにかけては老舗だけに、これからも意外な商品が登場するのだろう。
ネーム印を手軽に着せ替え
シヤチハタが発売を開始した「ネーム9 着せ替えパーツ おめかしっぽ」は、いま使っているネーム印を簡単に着せかえできる商品だ。
ネーム印は名字の数だけ種類があるので、ボディをすべて替えて製造するのはコスト面を考えても無理な相談だ。しかし、通常のネーム印のボディを持ち主が取り替えるのであれば、ボディだけを何種類か作れば販売することができる。簡単な発想のようだが、なかなかすごい発想だと思う。
また、自分で好きなものに交換するという作業は、自分でカスタマイズする感覚で楽しそうだ。販売されているボディも可愛いものばかりなので、自分の好みや気分で選んだり時々交換したりするのも良いだろう。着せかえすることで、机の上や引き出しの中などで探しやすくなるというメリットもあるかもしれない。
種類は「クロ」「シロ」「ミケ」「キジトラ」「サバトラ」「茶トラ」の6種類。価格は一個800円(税別)となっている。