全国にとても居心地が良かったり特徴的なカフェがあって、旅行の時などにそういったお店に出会うととても嬉しくなる。旅行や出張の時には目的地に素敵なカフェがあるかどうか事前に探すことにしているし、時間が許す限りお店の雰囲気と味を楽しみに行くことがある。
東京都内にも素敵なカフェは星の数ほどあるが、今まで行きたいなと思っていながらなかなか行く機会が作れなかったお店がある。今回、念願叶って仲間と一緒にで訪れることができた、そこは「手話が公用語」というカフェで、カフェながらスープが美味しいと評判のお店だ。
店内は手話が公用語のソーシャルカフェ
念願叶って訪問することができたのが、東京都文京区本郷にある「Social Cafe Sign with Me(ソーシャルカフェ・サインウィズミー)」というお店だ。地下鉄本郷三丁目駅から東京大学方面にあるくこと5分。小さなお店の並ぶ東大赤門前の通りのビルの2階にある。
階段をトコトコと登っていくとドアがあり、ドアを開けると店内には美味しそうなスープの香りが漂っている。週末の午後1時過ぎに訪れたが20名ほど入る店内はすでにいっぱいで、近くのカフェで時間を潰して2時過ぎにようやく席が空いて座ることができた。
カフェに入るためにカフェで時間を潰すというのはなんだか変な話だが、それでも一度は入ってみたいと思っていたお店だけに、お店の方に満面の笑顔で迎えられた時にはこちらも自然と笑みを浮かべてしまった。
ドアを入って左側にレジと厨房があり、ドアを入って右側には二人がけのテーブルと椅子が4セットと、さらに奥の窓際には4人がけのテーブルもある。店内は入り口を境にして左右にほど長い形をしていて、広くはないものの木目の美しいテーブルや椅子が全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出している。
厨房から通りに面した窓までは、壁いっぱいがホワイトボードになっていて、来店した人からのメーッセージが所狭しと書かれていた。どのメッセージも心温まるものばかりで、お店の雰囲気がそのまま来客者にも通じているんだなと感じた。
もともとは筆談するのにも使えるようにと設置されたそうだが、自由に書き込めるメッセージスペースになっているというのも、このお店のアットホームな雰囲気に一役買っているだろう。
店内から見た階段方面の壁はガラス張りになっていて、空間の広がりがあるように見せる工夫もなされている。電球の色や壁の色、所々に飾ってある装飾品などにもオーナーの気配りや感性の良さを感じさせてくれる。
スープはボリュームたっぷりでとにかく美味しい!
カフェといってもこのお店のメインはスープで、長野に本社のあるベリーベリースープのフランチャイズ店として運営されている。オーナーの柳さんは手話を母語とするろう者だが、柳さんがこのお店を開店するにあたっては、ベリーベリースープとの出会いがあったからこそだ。
手話を公用語とするというお店のコンセプトと、美味しいスープを提供するというコンセプトとがマッチしていて、とても魅力のあるお店になっているということがわかる。
私は「茸とソーセージの和風ポテト+白胡麻ご飯+サラダ+ホットコーヒー」のセットを頼んだが、熱々のスープは具材の味もスープの味も抜群で、思わず「美味しい!」という言葉が出てくるほどだった。
その他にも「食べるスープ」と「飲むスープ」がそれぞれ何種類も用意されていて、ライスものやパスタもある。さらにサイドメニューとしてワッフルなどのスイーツや、ワインなども用意されているので、カフェといってもちょっとしたフードレストランに近いのかもしれない。
注文やお店の方とのやりとりは日本手話や筆記を使うが、お店の方は皆さんにこやかで丁寧で気持ちのよいサービスを受けることができる。美味しいスープと雰囲気の良さとで、体も心も元気になることのできる素敵なカフェだ。
◇Social Cafe Sign with Me(ソーシャルカフェ・サインウィズミー)
住所 東京都文京区本郷5-23-11野上ビル2F
本郷三丁目駅(都営大江戸線、丸ノ内線)より、徒歩5分
営業 年中無休
11:00〜21:00(ラストオーダー 20:30)
日曜・祝日は、11:00〜19:00(ラストオーダー 18:30)