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「逆ソクラテス」(伊坂幸太郎)

小学生の頃は時間は無限にあると思っていながらも、当時は自宅と学校がメインでいろいろなことに感動しながら、悩みながら過ごしていたような気がする。クラスの中で、喧嘩をしたり、いじめたりいじめられたりというようなことも多々あって、それでも休み時間の遊びが楽しくてワクワクしたり、逆に嫌な行事があって学校に行きたくない日もあったり、いろいろな場面で心が揺れることが多かった。それが成長につながっていたんだなということが今なら分かるが、子どもの頃は世界がそれだけなのでほんのちょっとしたことで一喜一憂していたことを思い出す。

逆ソクラテス (集英社文庫)

伊坂幸太郎さんが書かれた「逆ソクラテス 」は、小学生が主人公の短編集だ。短編集ながら登場人物が微妙に関連しあっているので、連作短編集と言ったほうが正しいかもしれない。

 「敵は、先入観だよ」学力も運動もそこそこの小学6年生の僕は、転校生の安斎から、突然ある作戦を持ちかけられる。カンニングから始まったその計画は、クラスメイトや担任の先生を巻き込んで、予想外の結末を迎える。はたして逆転劇なるか!? 表題作ほか、「スロウではない」「非オプティマス」など、世界をひっくり返す無上の全5編を収録。
「BOOK」データベースより

生徒のことを考えず心無い発言や行動をする教師に対して、さまざまな方法で仕返しをしようとする生徒たち。クラスで女王のようにふるまう女子生徒に対して、運動会のリレー競技を利用して気づきを持ってもらおうとする生徒たち。私たちが子どものころに少なからずあったであろう出来事を、痛快な方法で取り組む子どもたちの姿が描かれた物語だ。

さらに、それぞれの短編集は時代を超えて絡み合っているので、読み終わったときにそう快感を感じながらも、改めて前の作品を読み返してそれぞれの物語の関連を確認してしまった。独語の爽快感もさることながら、自分の子ども時代を懐かしく思い出す、そんな素敵な一冊だった。

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