手紙を手書きする機会がめっきり減った。以前はパソコンやワープロで印刷した手紙には事務的なものを感じていたが、最近では個人同士の手紙でもパソコンベースが主流になってきたような気がする。やはり、メールでのやり取りが爆発的に増えて来たからだろう。だからこそ、手書きの手紙には価値がある。
ちょっとした手紙にはこのセット
以前もご紹介させていただいたが、会社の机の引き出しに入れているのが「きれいに書ける一筆箋」と「筆まかせ」という筆ペンだ。書類を送付するときに添えたり、ちょっとしたお礼状がわりに使っている。
http://www.midori-japan.co.jp/catalog/product/4902805891882
「きれいに書ける一筆箋」は中心線の入った下敷きがついているのが特徴で、敷いて書くと中心線の整った文字を書くことができる。下敷きの裏側にはお手本のひらがなが印刷されているので、ひらがなの練習用として使うこともできる。
お手本をなぞって書いてもすぐに字が上手になるわけではないが、いきなり書き出すよりも準備運動がわりに何文字が練習した方が書き出しやすいかもしれない。
「筆まかせ」はパイロットの商品で、筆先に特殊なハードチップが使用されている。そのため、毛筆独特のハネ、トメ、ハライ、などが簡単に書けるように工夫されており、サインペン感覚で買い手もしっかりと筆文字が書けるようになっている。筆文字というと敷居が高く感じるが、その敷居をぐっと下げてくれる商品だと言える。祝儀袋の名前書きなどにも便利だ。
インクの色も8色揃っているので、イラストを描くのに使っている人もいるようだが、そういった使い方もあるんだなと感心した。気軽に使える筆ペンだからこそだろう。
手書き文字は丁寧に書くのがまずは大切
私は左利きだが文字だけは右で書くよう、幼い頃から右手に鉛筆を持って練習させられた。昔は当たり前のように行われていた矯正だ。ただでさえ上手く使えない右手で字を書くので、上手に書けたためしがなくて文字が汚いのがコンプレックスだった。
それでも、社会人になってから手書きで手紙を書く機会も多かったことから、少しずつだが文字の練習をするようになった。当時はパソコンがあるわけではなくワープロすらもなかった時代なので、何をするにも手書きの文字で処理をしていたからだ。
その頃の先輩から言われたことは「決して上手に書こうとするのではなく、とにかくゆっくりと丁寧に書くように」ということだった。文字の上手い下手ではなく、相手に読みやすいようにと書いた文字は相手に気持ちが届くということだった。そのお陰で、上手な字だと言われることはなかったが、読みやすい字だと言われるようになった。
今でもちょっとした書類を送る時には手書きの一筆箋を添えるようにしているが、気持ちを込めて丁寧に書いた文字は、きっと文字に込めた気持ちを相手に届けてくれると信じている。