気分はポレポレ よろず情報ブログ

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週初めに読んで穏やかに元気がでるビジネス書2冊、キーワードは「自分の居場所」

 週初めは何となく元気が出ないという人は多い。私はどちらかというと、月曜日が一番元気が良くて週の後半に失速してしまうタイプだが、それでも週初めは会議や仕事のことなどであれやこれやと考えることが多い。

 ともすると気が塞ぎがちになる月曜日だが、そんな時にさらっと読めて穏やかに元気がでるビジネス書がある。

紆余曲折を経てカフェを立ち上げた物語

Sign with Me (ヒューマンケアブックス)

 1冊目は東京都文京区にカフェを立ち上げた「Sign with Me (ヒューマンケアブックス)」という一冊。オーナーの柳 匡裕さんは手話を母語とするろう者だが、社会人となってからコミュニケーションの難しさに悩み、時には精神的にも追い詰められた末に「手話を公用語とするお店」である「Social Cafe Sign with Me」を立ち上げた方だ。

内容(「BOOK」データベースより)

聴覚障害者が立ち上げた手話カフェ「Social Cafe Sign with Me」。カフェ立ち上げの背景には、障害者の就労に関する厳しい現実があった。障害者が自尊心をもてる社会はどうすれば実現するのか?障害者が「ありがとう」と言われる社会はどうすれば実現するのか?幾度の挫折から手話カフェ開業までを、ろう者のオーナーが語る。  

 先日、手話講習会の仲間と一緒にお店を訪れてみたが、とても素敵なカフェで食事も非常に美味しかった。手話カフェという呼び名が先行していて若干構える方もいらっしゃるかもしれないが、その辺にあるチェーン店のカフェに比べると段違いの美味しさと雰囲気の良さだ。

 柳さんが働きながら感じた苦労と、それを解決するためにカフェを作ろうと決めるに至った過程。いろいろな人との出会いとご縁によって夢が叶ったことなど、淡々とした中にもじんわりとした温かさを感じる一冊だ。力まず自分目線で今までの取り組みを振り返っているところに、読んでいて共感を覚える。

Sign with Me (ヒューマンケアブックス)

Sign with Me (ヒューマンケアブックス)

 

oyakode-polepole.hatenablog.com

普通のサラリーマンが自分ペースで起業した物語

僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード)

 もう一冊は、普通のサラリーマンが脱サラして起業する過程を描いた「僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語」という一冊。著者の和田一郎さんは42歳まで百貨店に勤めていた方で、会社を辞めてから現在に至るまでを淡々と書かれた一冊だ。

 会社を辞めて14年。アンティーク着物の販売を行っている「アンティーク着物・中古着物のICHIROYA」を経営する和田一郎さんは、勤めていた百貨店の早期退職制度を利用して得た1000万円を元手として、紆余曲折を経ながらも現在では安定した事業運営を行っている。妻や家族に支えられながら、弱気の虫を抑えつつ会社を起こした和田さんは、自らの体験を綴ることで身の丈にあった起業を行うことを勧めている。

 今まで起業に関する本は何冊か読んだことがあるが、この本を読んで驚いたのは常に自信がなく紆余曲折する著者の気持ちがありのままに綴られていたことだ。将来に対する不安や家族に対する申し訳ないという思い、元同僚との距離感や起業するうえでの失敗談などが淡々と綴られている。

 起業した方の話というと、とかく威勢の良い言葉や人生訓のようなものがちりばめられているが、この本を読んでいると自然と著者に対して「頑張れ!」と思う気持ちが湧いてくる。

 起業のコツや成功の秘訣などが書かれているわけでは無いが、万然と将来の起業を考えている人にとっては、考え方の参考になる一冊なのでは無いかと思う。

僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード)

僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード)

 

共通しているのは「自分の居場所作り」と「身の丈起業」

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 今回ご紹介した2冊に共通しているのは、「自分の居場所をつくる」ために企業という枠を飛び出して試行錯誤をしながら会社を興したという点だろう。その過程には心ときめくようなセンセーショナルな出来事があるわけではなく、人生を賭けた大勝負に出るわけでもない。だからこそ引き込まれてしまう。

 また、それぞれの著者が自分の「身の丈に合った起業」を行ったことが書かれていて、それだけに読み進めていくうちに著者を応援したくなるのかもしれない。

 会社員として企業に勤めていると、いつかはその会社を去ることになる。定年退職までいるかいないかの違いだけで、そこに自分の居場所があるかどうかだけだとも言える。

 自分の居場所をつくるために、自分の身の丈に合った起業をされたお二人の著書には、起業あたって得た人と人との温かいご縁に感謝する気持ちも綴られていて、そういったことを読むことで心が穏やかになるんだろうなと感じた。