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新潟の素敵な雑貨店「スイモン」とアート映画『LISTEN』とのコラボ

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文具店や雑貨店を巡っていると、都会には都会らしい良さが、地方には地方ならではの良さがあると感じる。それは建物であったり店内の雰囲気であったりと様々だが、店内に流れている時間感覚というか空気感のようなものも影響しているのだろう。

今年の春に初めて訪れた新潟の雑貨店を再訪する機会があったが、やはり流れている時間がとてもゆったりとしていて素敵なお店だった。

新潟の古民家を利用した雑貨店「スイモン」 

JR新潟駅から海に向かってしばらく歩くと、信濃川を渡って昔ながらの街並みが残る地域に出る。新潟市はもともと信濃川の中州だった場所が中心地になっているので、水を流すための堀が張り巡らされており、それに沿って家並みが続いている。 

町名も「東堀通」や「西堀通」のように「堀」がついた場所が多く、ブラブラと歩いているだけでも雰囲気の良さが伝わってくる大好きな風景だ。

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信濃川を渡ってから10分ほど歩いた東堀通三番町にあるのが、古民家を使用して雑貨を販売している「スイモン」というお店。二車線の道路から少し入った場所にあるので、注意していないと通り過ぎてしまうぐらい街並みに溶け込んだ雑貨店だ。

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このお店に並んでいるのは、全国の授産所等で作られた商品がほとんど。店主の中嶋さんが実際に商品の良さを確かめたものだけが置いてあり、どの商品もいわゆる「授産品」というイメージとは程遠いものばかりだ。

授産所とは、身体障害者や知的障害者、家庭の事情で就業や技能取得が困難な方々に対して、就労の場や技術取得の場を提供する福祉施設のことだ。そこで作られた商品は「授産品」と呼ばれており、売り上げを施設の利用者に工賃として還元する仕組みになっている。

しかし、授産品の中にはデザイン的に洗練されていないものも多く、福祉作業所の商品だから買おうという善意の気持ちに頼っているというのが実情だ。そのため、一ヶ月の工賃が一人一万円を切る施設も少なくない。

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「スイモン」ではデザインや品質が優れていると思われる商品を販売しており、販売チャネルを持たない福祉作業所の販売窓口としての機能を担っている。授産品以外にも店主の出身地である沖縄の名産品なども置いてあるので、見ていて飽きないしワクワクさえしてくる。

時間の流れもゆったりとしていて、田舎のおばあちゃんちに遊びに来たような感覚も覚えるこのお店は、何回来ても心落ち着く不思議な空間だなと思う。

■スイモン

住所 新潟市中央区東堀通三番町471
営業 水・木・金 11:00-16:00
   土     11:00-18:00
    ※仕入れ等のため臨時休業あり
(情報はブログに掲載http://blog.livedoor.jp/risa0331suimon/)
http://suimonn.jp/suimon/home.html

oyakode-polepole.hatenablog.com

アート映画『LISTEN』と「スイモン」とのコラボ

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http://www.uplink.co.jp/listen/

映画『LISTEN』は、ろう者の音楽を視覚的に表現したアート・ドキュメンタリー映画だ。クラウドファンディングで資金を集めて制作された映画で、58分間にわたって全編無音だという点でも興味深い映画として静かな人気を呼んでいる。

今年5月14日に渋谷の小さな映画館で上映が開始されたが、それから横浜、名古屋、大阪、京都、青森、仙台と上映される場所が広がり、また自主上映として各地で上映されるなど口コミを含めてジワジワと全国に広がってきている映画だ。

私も渋谷のアップリンクで観させていただいたが、一言では表現できない「何か」を感じた。感動的だったとか素晴らしかったという端的な感想ではなく、なんとも表現しがたい「何か」は確実に心の中に入り込んできて深く印象に残る映画だ。

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その映画『LISTEN』が9月24日から新潟シネ・ウインドで上映されることに連動して、監督の牧原さんを囲んでの座談会が「スイモン」で開かれた。「スイモン」に流れる不思議な空気感と、映画『LISTEN』から感じる不思議な波動のようなものとが実にマッチしたコラボだと思う。

今回、私もスタッフとして参加させてもらったが、この空間で座談会を行うというのは、運営側としてもワクワクするようなイベントだった。

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座談会は参加者16名と少人数で行われたが、こういったこじんまりとした座談会は監督と参加者との距離が近くて良い。物理的な距離だけではなく心の距離も近くなるので、牧原監督の想いが届きやすくなるのではないかと感じた。

 

静かな盛り上がりを見せた座談会

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映画公開当日の座談会ということで、当然のことながら参加者は誰も映画を観ていない。そこで、開始時に特別予告編をスクリーン上に投影して、参加者全員に耳を塞いで観てもらうことから始まった。

その後、Bridgeの小林さんがナビゲーターとなって座談会が進んだが、映画製作にあたっての牧原監督の想いや参加者の感じ方、聴こえることとは何なのかというような実に内容の濃い話が展開された。

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決して次々と発言があるというわけではなかったが、発言が途切れることもないという静かな盛り上がりがあった。また、参加者から発せられる発言の内容一つ一つが、実にきちんと考えられた内容になっていて、全員が真剣に時間を過ごしていたという感覚だった。

今回の座談会は「映画『LISTEN』の応援団を作る」ということが目的だったが、その目的は十分に果たせたのではないかと思う。新潟でのこれからの盛り上がりを期待したい。

映画『LISTEN』は新潟・市民映画館 シネ・ウインドで上映中だ。

www.cinewind.com

共感しっぱなし!「従業員7人の『つばめや』が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み」(高木芳紀)

今日ご紹介するのは、文具店の企画担当である高木芳紀さんが書かれた一冊。文房具好きの方なら、高木さんのお名前を既にご存知の方も多いだろう。 文房具関連のイベントを主催されているなど、小さな文具店の名前を世の中に知らしめた仕掛け人だ。

目からウロコの仕組みがズラリ 

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つばめや文具店は、東京渋谷にある老舗の小さな文具店だ。主にWebショプによる事業運営を行っているが、非常に多彩で興味深い運営だ。

その内容や考え方をまとめたのが、「従業員7人の『つばめや』が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み」という一冊。2010年に発行された書籍で、現在はKindle版のみが発売されている(書籍は中古品のみ)。

世の中には「こうすればWebショプはうまく行く!」的な本が何冊も発行されているが、ピンポイントな成功例だったり納得を得にくいものだったりする。

その点、この一冊には共感する部分が多いし、個人的には「共感しまくり」という感じすらする。それはひとえに、決して背伸びをしない「身の丈サイズの取りくみ」だという点が大きいだろう。

誤解を招かないように補足するが、「身の丈サイズの取りくみ」というのは会社の規模を揶揄しているわけではない。逆に「小さいことを強みとした取りくみ」が、非常に参考になるし素晴らしいなと感じるのだ。

Web構築は必要に応じて外部委託を行い、販売する商品もニッチな部分を探す。値引き競争は行わずに、価格以外の顧客を惹き付けるものを探す。

文字にすると簡単なことのように思えるが、実際に行うとなるとかなり難度の高い取り組みだ。それを実践してきた著者が綴った内容だけに、説得力があって「共感しっぱなし」という状態になるのだろう。

小さな会社が自社の強みを把握し、独自の戦略と広告方法を探しだし、ニッチな分野で業績を拡大する。ランチェスター戦略にも通ずるこの取り組みは、個人経営の方にとっても得るものが大きいのではないかと思う。

文房具好きとしては文房具愛を感じる一冊だし、これを参考に文具店を始めてしまおうかと早まった考えを持ってしまう一冊でもある。Kindle版だけではもったいない!ぜひ、書籍版も再版して欲しい!そう思える一冊だった。 

従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み

従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み

 

百聞は一見に如かず

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今回ご紹介した一冊を読みながら、つばめや文具店のホームページ「渋谷・宮益坂の文具店(アスクル代理店)つばめや」を見ると書かれていることの意味がよくわかる。まさに”百聞は一見に如かず”だ。 

この本はウェブマスターを務めている高木さんの著書だけに、ホームページの作り方やSNSの活用方法などが丁寧に書かれている。6年前の著書なので現在の状況とは若干異なる部分もあるだろうが、考え方という点では現在でも十分通じるものばかりだ。

文房具好きの祭典「文具祭り」毎週末に行われる「文具朝活会」を企画・運営している高木さんの考え方が、それぞれのホームページを見ることで良くわかる。この本はそういった見方をすることで、さらに活用の幅が広がるだろう。 

何が必要で何が不要かを考えさせられた一冊

この本には、主にウェブによる「ゲリラ的な方法」が書かれている。「小さな会社にはウェブによる戦略が有効だ」ということがど真ん中にあり、それに沿ってマーケティングやブランティングのことが丁寧に紹介されている。

今まで私もたくさんのビジネス本を読んできた。職場のリーダーとしてどう振る舞うか、チームをまとめるにはどうすれば良いかなど、主にマネジメントを中心とした本を読むことが多かった。

また、新商品開発の仕事に就いていた時期もあり、そんな時には発想法やアイデア整理の方法など、いわゆる「方法論」をせっせと学んだりもしたし、商品販売部門に居た時にはキャッチコピーについて一から学んだこともあった。

そういったことが全く無駄だったわけではないが、ある意味では一過性のものが多かったなという感じもする。

今回ご紹介した高木さんの一冊は、何となく「そんなことは百も承知だけど」という前提で書かれているような気がする。あくまでも私の個人的な感想だが、文章のあちこちでそう感じる部分があった。

そう考えると、「そんなことは百も承知」という部分もある程度を知っておく必要があって、基本的なマーケティングのことやブランディングのこと、SEO対策のことなどは知っておく必要があるだろうと思う。

そういう視点でこの本を読み返してみると、今は何が自分に必要で何が不要なのかという捨拾選択をすることができる。そんな視点でこの一冊を読み返してみると、また違った読み方ができるのではないだろうか。

従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み

従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み