リコーは、フィルムカメラの新製品「PENTAX（ペンタックス） 17」を2024年7月12日に発売を開始する。フィルムカメラの発売は実に21年ぶりとなる。カメラのデザインはレンズ一体型のクラシカルデザインで、ピント合わせやフィルムの巻き上げなどのは手動。その操作感も楽しめるようになっている。メーカー希望小売価格は107,000円だが、実売価格は8万8000円前後になるようだ。
「いまフィルムカメラ？」と思ったが、リコーはフィルムカメラで撮影された画像の雰囲気が若者に人気だということもあり、2022年から「フィルムカメラプロジェクト」を開始した。従来からのフィルムカメラを発売するのではなく、35ミリ判フィルムの1コマを半分程度使用する形式を採用している。通常の35ミリ判フィルムは横長だが、それを半分使用することで画面は縦長になる。それによって、36枚撮りのフィルムが倍の72枚撮影できるだけではなく、スマホで撮るときのように縦長での撮影がデフォルトとなっている。これは、若者がスマホの写真をSNSにアップしているところから発想したアイデアのようだ。
私の世代はフィルムカメラを使っていた時代が長く、息子の幼い頃の写真も全てフィルムで残っている。当時の写真を見ると、デジカメで撮影したものよりもふんわりとした雰囲気なのが良い。また、フィルムカメラは現像すること自体も撮影の一部として技術が問われるので、「自分だけの一枚」を作り出すことも可能なのだろう。
21年ぶりに発売されるフィルムカメラは、フォルムもレトロ感も含めて興味津々の一台だ。
