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「明治・妖モダン」(畠中恵)

先週から東京ではググッと気温が下がり、晩夏にもかかわらず過ごしやすくなった。8月は雨の日が続き、まったく夏らしい気候ではなかったが、それでも気温が30度を超えると蒸し暑くて閉口して、梅雨が二度来たように感じたものだ。

気温が下がって過ごしやすくなってくると、自然と本を読むスピードもあがる。元々本好きなので常に本を読んでいるのだが、暑いと大好きな本を読む気にもならない。本を読むスピードと冊数で、夏の終わりが分かるような気がするほどだ。そんな時に、夏の終わりに読むのにぴったりな一冊にも出会い一気読みしてしまった。

明治の妖(あやかし)たちが闊歩する物語

明治・妖モダン

涼しくなった晩夏の夜に一気読みをしたのが、畠中恵さんの書かれた「明治・妖モダン (朝日文庫)」という一冊だ。大ヒットとなっている「しゃばけ」シリーズで、妖(あやかし)を人間臭く登場させている畠中恵さん。それだけに、今回の作品でも人か妖か分からないという絶妙な設定が読む者をグイグイと物語に引き込んでくれる。

内容(「BOOK」データベースより)
「江戸が終わって20年。妖たちがそう簡単にいなくなると思うかい?」モダン銀座の派出所に勤める巡査・原田と滝の元へは、瞬く間に成長する少女や鎌鼬に襲われた噂など、不思議な厄介ごとばかり持ち込まれて…!?ゾクゾク妖怪ファンタジー、第1弾。  

物語の舞台は、江戸時代から明治時代に移ってから20年後の銀座。モダンなビルが立ち並ぶ銀座の町並みに、ポツンと一つ残されたように立つちっぽけは派出所。そこに勤務する原田巡査と滝巡査の元に色々な人が訪れる。

あっという間に人を切り裂く鎌鼬(かまいたち)や、短時間で大人になっていく女の子などなど。江戸から東京になったといえども、まだ数十年しか経っていない銀座では、妖たちも居場所を探すのに一生懸命のようだ。

巡査たちが贔屓にしている牛鍋屋では三味線の師匠や煙草屋など色々な人が集まり、 巡査たちが巻き込まれる事件の謎解きなどを手伝うことになる。しかし、謎を解く行動がさらに謎を呼び、誰が人間で誰が妖なのかも分からなくなってくる。

連作短編集の形をとっているので、一話ずつ読み進めるのも良いだろうし通勤電車の中で読むのにも良いだろう。しかし、じっくりと一気に読んでみるのもさらに楽しい。グイグイと引き込まれて行くこと請け合いだ。

明治・妖モダン (朝日文庫)

明治・妖モダン (朝日文庫)

 

続編の文庫化も待ち遠しい

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今回ご紹介した「明治・妖モダン」の続編が、「明治・金色キタン」だ。こちらも連作短編集の形式をとっているので、文庫化が望まれるし待ち遠しい。いや、待ちきれずに単行本を買うという手もあるなと思っている今日この頃だ。