万年筆は高価だというイメージがあったが、最近では入門用を含めて安価な万年筆が増えてきた。数百円で買えるものは別として、5,000円以下の商品でも書き心地の良いものが多い。その中でも「気軽に使えて書き心地も良いもの」となると限られてくるが、パイロットの『コクーン』は最初の一本にもオススメの商品だ。
重量バランスの良さが感じられる万年筆
パイロットのコクーンシリーズには、万年筆、ボールペン、シャープペンシルの3種類があるが、どれも柔らかい曲線のフォルムが特徴だ。その中でも万年筆はコクーンシリーズの中心となる商品で、グッドデザイン賞を受賞している商品でもある。
個人的には最初にボールペンを購入したため、コクーンといえば「書きやすい油性ボールペン」というイメージを持っていた。しかし、シリーズ自体が20〜30代を中心とした若者をターゲットにしていることを考えると、 「万年筆として最初の一本」としての魅力もある商品だなと思う。
(ブラック)
(オレンジ)
(ホワイト)
(シルバー)
(ブルー)
(ボルドー)
(チタン)
(メタリックグレー)
http://www.pilot.co.jp/products/pen/fountain/fountain/cocoon/
カラーバリエーションも豊富で、8種類の中から好みに合わせて選ぶことができるのも楽しい。ホームページに掲載されている色合いと実物とは若干イメージが異なるので、選ぶ時には実物を直接見るのが良いだろう。
キャップを軸に取り付けた時には、万年筆自体の重心がやや高いように感じる。コクーンボールペンの重心は、握った時にやや低く感じられるので比較するとはっきりと分かる。
重心がやや高いと書きづらいように感じるが、万年筆は筆圧をかけないで文字を書く筆記具なので逆に書きやすくなる。コクーンのメインターゲットが若い方だということを考慮して、あえて重心を若干高めにしてあるのかもしれないなと感じた。
ちなみ、万年筆で文字を書くときには、ボールペンよりもやや寝かせ気味に倒して書く。角度でいうと40度から60度の間が最適だとされているが、感覚としては「やや寝かせ気味」という程度で十分だろう。
万年筆はキャップを本体後ろに差すことによって、全体的にベストなバランスになるよう設計されている。しかし、バランスの好みは人それぞれなので、持って見てしっくりとこないようであれば外して使っても問題はないだろう。
まずは「軽い力で文字を書く」ということに慣れるのが一番だと思う。そのためには、全体的にバランスが取れていて、価格的にも手ごろなコクーンは最初の一本に最適の万年筆ではないだろうか。
細かい字を書くのにも良い
万年筆のペン先には14金や18金など金を使ったものと、スチール製などの合金のものとがある。一般的に安価な万年筆にはスチール製など合金のペン先が使われており、金ペンと比較して硬めの書き心地になる。
金ペンはしなりがあって書きやすいとも言われているが、合金のペン先はカリカリとした書き味で細かい字も書きやすいという特徴がある。このあたりは個人的な好みとなってしまうが、手帳などに書き込むときにはカリカリと細かい字を書ける方が良い。
実際に文字を書いてみると、本体自体のバランスが良いこともあって書き心地はとても良かった。最初の一本としてチョイスするのにも良いだろうし、気軽にメモを取るのにも良いだろう。
万年筆を特別な筆記具して捉えるのではなく、日常的に使う道具として気軽に使うための良い商品だと思う。