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「活版印刷 三日月堂 星たちの栞」(ほしお さなえ)/この夏、久しぶりに活版印刷を体験したくなった!

文房具好きの方の中には、活版印刷が好きだという方も多い。私もその一人だが、文房具が好きで 、その中でも筆記具や紙製品に興味が出ると、活版印刷にまで行き着くような気がする。そんな活版印刷好きな方に、ぜひ読んでいただきたい一冊が発刊されている。

昔ながらの活版印刷所を舞台にした物語 

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6月に発売されたばかりなのが、ほしおさなえさんが書かれた「 活版印刷三日月堂 星たちの栞」という一冊。小江戸川越の小さな活版印刷所が舞台となった、心温まる物語だ。

土日ともなると観光客で賑わう川越の街。観光名所となっている"時の鐘"からほど近い鴉山稲荷神社のすぐ近くに、一軒の小さな活版印刷所「三日月堂」がある。年老いた店主夫婦が亡くなってから5年。廃業して空き家になっていた印刷所に戻ってきた孫娘の弓子が、再び活版印刷所を再開することになった。

一つ一つの活字を拾い、一枚一枚丁寧に作られていく印刷物。若くて寡黙な弓子が手作業で一つ一つの言葉を印刷する三日月堂には、様々な悩みを持った人々が訪れ、温かい印刷物に心を癒されていく。心のこもったコースターや栞。活版印刷という昔ながらの技法を使った印刷物を作り続ける弓子だが、その彼女にも何かを抱えているような憂いがあった。

この物語を読むと、一度でも活版印刷所を訪れたことのある方なら、独特のインキの匂いまで感じ取ることができるだろう。また、手キンという昔ながらの手動式の印刷機の、ガチャンガチャンという音までも聞こえてくるような気がするだろう。

逆に活版印刷所を訪れたことのない方にとっては、なるほどこうやって活版印刷は行われるんだなという新たな驚きを感じるのではないかと思う。そして、一度は活版印刷所を訪れてみたいと思うのではないだろうか。

活版印刷という昔ながらの印刷方法を通じて、人々の心の交流や人の心の温かさを感じさせるくれるこの一冊。読み終わった時に「もう一度活版印刷所に行ってみたいな」と素直に思わされる一冊でもあった。 

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)

 

活版印刷は楽しくて深くて温かい

活版印刷には以前からとても興味があったので、一昨年の秋に活版印刷のワークショップに参加した。東京中央区にある活版印刷所で行われたワークショップは、実際に印刷を行っている職人さんに直接教えてもらえるという貴重な体験だった。 

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参加させていただいたのは「活版工房」が主催する「活版印刷ワークショップ ~初心者向け和文名刺編~」というワークショップ。実際の活版印刷工房に集合し、活字を拾う文選から始まり、版組み、印刷を経て活字などを棚に戻す解版まで、活版印刷の作業を一通り体験するというものだった。

たった半日の体験ながら、活版印刷の奥深さと活字の美しさにすっかりとりこになってしまった。しかし、その後も活版印刷のワークショップに参加したいと思いながらも、スケジュールが合わなかったり仕事が入ったりとタイミングを逸していた。

今回、活版印刷工場が舞台となった物語を読んだことで、活版印刷熱が再燃してきた。活版印刷の技術は一朝一夕で身につくものではないが、実際の現場を知ることで活版印刷自体の素晴らしさを再認識できる。

夏休み期間も各地で活版印刷の体験が行われているようなので、小さいワークショップでも良いので参加してみたいと思う。

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