どこの土地にも地元の人が美味しいというお店があるが、甲州市には「隠れ家的名店」というのが多いような気がする。駅の近くにはコンビにさえない場所であっても、車で少し走ると思いがけない場所に思いがけなく素敵なお店がある。今回もそんな隠れ家的な、雰囲気の良い蕎麦のお店に行ってきた。
■古民家を移築した「そば丸」
JA中央線塩山駅で電車を降りて、北に車を10分ほど走らせた場所にある手打ちそばのお店「そば丸」。静かな山あいの集落の中に突然出てくるこのお店は、カーナビで探しても見つけにくい場所にある。
それでも休日ともなると大勢のお客さんがやってきて、昼食時は長い行列が出来るぐらいだ。
そんな人気のお蕎麦屋さんは、夜は予約客だけがゆっくりと楽しめるメニューが用意されている。午後3時までが営業時間となっているこのお店は、夜の宴会は予約しか受け付けていないというのも特徴だ。
今回は仕事関係の方々と訪れたが、何回食べても美味しい料理は、建物の雰囲気の良さと相まって実に居心地の良い空間だった。
■そばと野菜が中心のメニュー
そば丸のメニューはお蕎麦と野菜が中心となっていて、昼間のメニューもそうなら夜のメニューも同じくお蕎麦と野菜が中心だ。野菜もとても新鮮で美味しくて、普段食べている野菜とは全く違う種類のものだなと思う。
料理の最初に出てきたこの一品も柚子と蕎麦が味噌と混ぜてある焼き物で、上品なのに味が深くてとてもおいしい。私はお酒が飲めないが、お酒好きに方にはたまらないようだ。
こちらはモミジの葉っぱがアクセントとなった蕎麦豆腐。お蕎麦の味がしっかりとしていて、上に乗せられているワサビも本物で味が深い。
この他にも新鮮な野菜のサラダや天ぷらなどが出てくるが、どれも美味しくて会話も自然と弾んでくる。やはり、人間美味しい物を前にすると知らず知らずのうちに笑顔になってくるようだ。
そして最後にはもちろんもりそば。私はグルメとは縁遠いところに居るが、ここのお蕎麦の美味しさは他とは違うということが分かる。この後デザートとして出てきた蕎麦アイスで口の中をさっぱりとさせて、この日の懇親会は笑顔のうちに楽しく終了した。
山梨県の甲州市界隈はデザートが豊富で温泉も多い場所。また、すぐ近くには大菩薩嶺への登山ルートもあるなど、四季を通して楽しめる場所だと思う。全国津々浦々まで名前の鳴り響いた観光地ではないが、家族連れや友人などと訪れると今までと違った心休まる旅行になるのではないかとも思う。
首都圏からだと中央高速道経由で2時間もあればゆっくりと到着する場所なので、これから寒くなる時期で温泉も恋しくなる。温泉にのんびり浸かってからおいしいお蕎麦をを食べるたびというのも良いかもしれない。
■「そば丸」
住所:山梨県甲州市塩山藤木1756
TEL・予約:0553-33-7337
営業時間:11:00~15:00
※夜の営業は予約制 定休日:水曜・第3火曜