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「怖ガラセ屋サン」(澤村伊智)

夏になると怪談や超常現象のことが取り上げられるが、暑い夜には背筋がゾクッとするような話は少しの間だけ暑さを忘れそうだ。

怖い話というと、怪談、妖怪話、心霊現象などいろいろなジャンルがあるが、「都市伝説」というのもその一つだろう。都市伝説の第一号と言われているのは、皆さんも良くご存じの「口裂け女」。怪談や心霊現象などに比べて身近に感じられるのが特徴で、現代ではSNSによって一気に拡散するというのも特徴のひとつだろう。フェイクニュースと同じく「眉唾もの」ではあるものの、本当だったら怖いなと思う程度の不気味さが絶妙だなと思う。

怖ガラセ屋サン (幻冬舎文庫 さ 48-1)

澤村伊智が書かれた「怖ガラセ屋サン」は、怪談や都市伝説とが混じり合ったような怖さを感じさせてくれる一冊だ。

怪談は作りものだと笑う者、他人の不安や怖気に付け込む者、いじめを隠す子供……。こんなヤツらに“一瞬の戦慄〞なんて生ぬるい! 「怖ガラセ屋サン」はナメたやつらが大好物。狙ったら最後、あの手この手で恐怖どん底へ――。怖がらなかったことを後悔しても、後の祭り。先の見えない恐怖に「まさか」の連続! 背筋の凍る連作短編集

澤村伊智さんが書かれる物語は、「ぼぎわんが、来る」のように怪異現象を描いたホラーものが多くて、どれを読んでも背筋がぞくっとしてしまうものばかりだ。この世のものとは思えない「何か」に対する恐怖を描いた作品が多い中で、今回のこの一冊はもう少し身近というか、「こういうことはあり得るよな」と思えるような怖さを感じる。悪いことをして者を「怖がらせ」て、そして破滅に持っていくというストーリーは、ある意味では痛快に感じながらも、自分の身に降りかかってきたら本当に嫌だなという怖さを感じさせてくれる。

もうすぐ暑い夏も終わってしまうだろうが、それまでにはぜひ一度読んでいただきたい一冊だ。

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