東京・武蔵野市にある古本屋。最寄駅から徒歩10分程度の場所にあるその店舗は、24時間営業の無人店舗だ。無人店舗の古本屋という不思議なキーワードに惹かれて訪問してみた。
無人の古本屋「BOOK ROAD」
JR中央線三鷹駅の北口から武蔵野市役所方面にトコトコと歩き、武蔵野警察署を過ぎて最初の信号を左折する。
三鷹駅から徒歩で10数分。この辺りは昔ながらの住宅が立ち並んでいて、どこかのんびりとして雰囲気の漂う場所だ。
大通りから一本裏を歩いて行くと、右側に公園が出てくる。その逆側の角にあるのが無人古本屋の「BOOK ROAD」だ。無人という点だけを除けば、商店街にあるなんの変哲も無い店舗だ。
薄緑色の建物は二階建になっている。どこにでもある二階建の住宅だ。ここは、以前から街歩きの方には有名な場所のようで、2012年4月に開店してから4年間滞りなく営業を行ってきている。
店内は狭いながらも清潔できちんとしていると評判なのだが、確かに前面がガラス張りで入りやすいという第一印象を持った。
店内はさっぱりとした雰囲気と品揃え
6畳間ほどの広さがあるお店に入ると、正面と右側の2面に備え付けられた本棚に出迎えられる。天井まである大きな本棚や内装は白を基調としており、埃もなくとても清潔で入りやすい。照明も明るいしお店の前面がガラス張りなので、夜でも入るのに躊躇しないだろう。
正面の棚には「念のためカメラが回っています」と書かれたボードが立てかけられているが、嫌な感じはせず逆になんとなく微笑ましく感じてしまう。
オーナーは都内に務める会社員なのだとか。田舎にある無人の野菜売り場からイメージを膨らませた「無人古本屋」は、地域の本棚のようになりたいという願いが込められているそうだ。
支払いはガチャガチャで
本の裏にはお会計方法のシールが貼られていた。「お会計もレジ袋もガチャガチャで」と書かれている。
店内には「本の買い方」というボードも掲げられている。これによると、店内に設置されているガチャガチャで値段に応じたビニール袋を買うのだとか。
ガチャガチャは500円と300円とがあって、本の金額によって袋を買って自分で詰めて帰るようになっている。無人店舗としては目新しい方法だし、人の善意を基本にして営まれているのが気持ち良い。
街の中に何気なく開店している古本屋さんは、無人ながら人の温もりや気配を感じることのできるお店だった。きっと、近所の方々を含めてたくさんの人の気持ちがこもっている店舗だからだろう。
■無人古本屋 BOOK ROAD
東京都武蔵野市西久保2丁目14-6 亀松荘1階西側部分
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