最近では、何をするにもパスワードが必要となってきた。 キャッシュディスペンザーでお金を入出金するとき、パソコンにログインするとき、ネット上の各種サイトにログインするときなどなど。IDとパスワードを忘れてしまうと、にっちもさっちもいかなくなる。それを防止するためのデバイスが、バージョンアップして7月に発売される。
キングジムのパスワード一元管理デバイス
キングジムが7月に発売を予定しているのが、「パスワードマネージャー ミルパス PW20」というパスワード管理用デバイスだ。最大200件までのIDとパスワードを管理できるようになっており、PCと接続してデータ編集を行うことも可能だ。現在は「ミルパス PW10 ブラック」という商品が発売されており、その後継機種という位置付けになる。
写真でもわかるとおり画面の液晶はモノクロ表示でバックライトが付いておらず、解像度も高いわけではない。現機種のレビューを見てもその辺が課題なのかなと思うが、画面がきちんと見えるのであれば便利に使える機器であることは間違いないだろう。
さらにセキュリティの高いランダムなパスワードを自動生成してくれるので、新しいパスワードを設定するときに悩む必要もなさそうだ。
パスワードはどうしても記憶しやすいものにしがちだし、同じパスワードをいろいろなサイトなどで使い回ししがちだ。しかし、自動生成されたパスワードをデバイスが管理してくれるのであれば、新しいパスワードを作るのにも悩む必要がなくなる。それだけでもありがたい気がする。
http://www.kingjim.co.jp/sp/pw20/
手のひらサイズのデバイスなので、持ち歩いていてもそれほど邪魔にはならないだろう。デバイスを開くためのメインパスワードがかけられるようになっており、PC側にも同じデータが残る仕様だ。万が一落としたとしても、セキュリティ的には大丈夫だろう。
手帳やスマホなどにメモをする方法と比較した場合には、小さいとはいえ余分な道具が増えてしまうのは否めない。しかし、強固な自動生成パスワードが使えることを考えると、どちらが良いかはコストとリスクヘッジとのトレードオフだという考え方もあるだろう。
税込価格で6,000円強という設定は、数多くのパスワードを使わざるをえない方にとっては、案外手頃な値段なのかもしれない。
パスワードはどう管理すべきなのか
企業だけではなく家庭でもセキュリティの重要性が一般的に認識されるようになり、PCにセキュリティソフトをインストールすることは当たり前の時代になった。また、パスワードを盗まれて被害に遭ったという話も珍しいものではなくなり、個人レベルでのパスワード管理もまた重要な事柄だと言える。
「個人ではパスワードが必要な場面はそれほどないだろう」と思っている方も多いとだろうが、実際には個人でもかなりの数のIDとパスワードを取得していることがある。例えばネットスーパーや検定試験の申し込みサイト、図書館の予約システムや情報サイトの無料会員など、IDとパスワードを取得している場面は多い。
私の場合でも、個人的な登録だけで150ほどもあった。もちろん、一度登録してそれ以降は使っていないというサイトもあるので、解約するなど「IDの断捨離」も必要だろう。それでも、会社で使っているPCログインIDなどを入れると、200個にはすぐに手が届いてしまいそうだ。
これだけのIDを使っているのに、パスワードを10種類ぐらいで使いまわしているとすれば恐ろしいことだと思う。ただ単に「IDとパスワードを控えておけばよい」という時代から、「強固なパスワードを個別に設定しておく」という時代になってきているのではないだろうか。