ここ数年、シャープペンシルの進化には目覚しいものがある。従来からの書き心地の良さだけではなく、「折れない」ということや「より細く」という技術に関して進化してきている。「折れない」ことの進化はある程度のところまで来たのかなと思っていたが、さらにすごいシャープペンシルが登場した。
折れずに芯が出続けるシャープペンシル
今年70周年を迎えたぺんてる社が、2017年2月16日に新たなシャープペンシル「オレンズネロ」を発売開始した。”0.2mmや0.3mmという細さなのに折れないシャープペンシル”として発売から3年が経つオレンズシリーズだが、今回の新商品はさらに「芯が出続ける」という予想だにしない機能が加わった。
動画でも分かるとおり、ほぼ一本分の芯を使い終わるまで自動的に出続けるというのはすごい。芯を出すアクションで作業への集中力が削がれるとすれば、この機能は非常に画期的なことなのではないだろうか。
また、「ユーザではない。オーナーになるのだ。」というキャッチコピーが印象的だが、小売価格が3,000円(税別)だということを考えるとなるほどなと頷ける。それほどの価値があるのだと伝えたい意気込みを感じるとともに、商品の位置付けを的確に捉えている一言だなと感じた。
レビュー記事ならこちら
orenzneroのレビュー、やっと書き終わりました。https://t.co/MVMUjO49TK https://t.co/fgfM2F2nQE
— 高木芳紀(文具と名刺) (@omeishi) February 20, 2017
文具祭りなどの主宰者として有名なつばめや文具店の高木さんの記事に、詳しいレビューが掲載されている。ぜひ前編・中編・後編に渡る記事を読んでいただきたい。
人の褌で相撲を取る形となってしまい申し訳ないが、高木さん独特の分かりやすくてテンポの良い記事を読んでいただけば、オレンズネロの凄さがさらに良く伝わるだろう。
私も高木さんの文章を拝見して、オーナーになりたくなってしまったうちの一人だ。
そういえばと思い出したこと
高木さんの記事の中に、「折れない機能はすでに1970年代始めに商品化されていた」というくだりがあった。私の実家は文具店だったが、ぺんてるの「折れない機能を持った高価なシャープペンシル」が確かにあったのを思い出した。
九州の地方都市にあった文具店だが、小学校の正門前に店を構えていたこともあって目新しい筆記具なども置いてあった。その中に、芯がパイプで覆われた高額なシャープペンシルが置いてあったことを思い出す。私の親もなかなかやるもんだ。
当時小学生だった私には買うことは叶わなかったが、試し書きをさせてもらいとても不思議な機能だなと感じたことを思い出す。当時、シャープペンシルは高校生以上が使うという位置付けのものだったが、カチカチとした金属音を響かせて動く筆記具は憧れだった。
40年以上経ってもその感覚はかわらない。今回の新商品もぜひ一度実際に手にとって試してみたいものだ。