美味しいお店や素敵なお店を、思いがけず見落としていることがある。いつも通っている道なのに「こんなお店があったんだ」と驚くことがある。文具店や雑貨店を覗くのが好きで時間があれば新しいお店を覗いているが、見落としていたお店を発見するのはとても嬉しい。お店も人と同じで「ご縁」というものがあるようだ。
■目次
出会いはバスの小さな広告だった
今回、いつも乗るバスに貼られていた広告を見て、いつも通っている場所にある小さな雑貨店のことを知った。猫のイラストが描かれた広告からは、どこかアジアンテイストで、どこか「怪盗ゾロリ」のようなユーモラスな雰囲気を感じさせられた。
こうやって広告を目にしたのも何かのご縁。いつもは見ない広告を見て、いつもは見かけないお店を訪ねてみるのも楽しいかもしれない。さっそく、会社帰りに吉祥寺のお店を訪ねてみた。
吉祥寺の小さな雑貨店「路地裏猫雑貨マルルゾロ」
JR吉祥寺駅の北口は、再開発が一段落してきれいなバスターミナルになった。それでも、戦後の闇市から発展したハモニカ横丁には昭和の香りが漂い、細い路地を歩くとタイムスリップしていくような感覚を覚える。
ハモニカ横丁の面白いところは、飲み屋や食べ物屋だけではなく魚屋や洋品店なども軒を連ねているところだろう。駅前にありがちな飲み屋横丁とは、少し趣きの異なる一画だ。
バス通りから伸びる一本の路地に、駅側から入ってすぐの場所。そこにあるごじんまりとした雑貨店が「路地裏猫雑貨マルルゾロ」。店名のとおり「猫」をテーマとしたお店だ。
店内には猫にちなんだ雑貨や文房具類などが、所狭しと棚の上から下まで四方八方に並べられている。それなのに雑然とした感じがなく、何となく居心地が良い。不思議だ。
良く見ると、量産品ではなく手作り品が数多く並べれていて、こだわりの雑貨店だということがわかる。
店主にお話をお伺いしたところ、この場所にお店を出してもうすぐ4周年なのだとか。販売競争の厳しい吉祥寺の北口において、雑貨店として営業を続けていくのは大変なことだろうと思う。
しかし、一坪店舗という限られたスペースを活用し、「猫」に特化した商品展開を図り、さらに手作り品を集めるという、集中と選択が幸を奏しているのではないかと思われる。
店主ご自身も現在猫3匹を飼われていらっしゃるそうで、以前からとても動物好きだったとのことだった。それもあって、吉祥寺でお店を始めるときに「限られた広さなので猫に特化した品揃え手にしてみよう」と考えられたのだとか。
一品一品をとても大切に展示してある店内は、棚をぐるりと見渡しているだけでもワクワクしてくる品揃えだ。
■路地裏猫雑貨マルルゾロ
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-4 ハーモニカ横丁
TEL/FAX 0422-27-5764
JR/京王井の頭線 吉祥寺駅 北口 徒歩2分
営業時間 11:00~19:00 定休日 月曜・木曜
玉手箱のような楽しい店内
お店は一坪なので、簡単に言うと畳二畳分だ。畳二畳分の広さに、レジと店主が立つ場所と、さらに商品展示棚があるのだからすごい。
雑然とモノを並べるとカオス状態になってしまいそうだが、整然とした雰囲気があるのはすごい。駅の売店も商品の並べ方がすごいと思っていたが、こちらはさらに「玉手箱をひっくり返したような楽しさ」がある。
手作り品が多いので、どれも初めて見るものばかり。また、数多くの種類を少しずつ置いてあるので、全ての商品を見るのにはかなりの時間を要するだろう。私も猫の形をしたショルダーバッグを触って見たり、小物を一つ一つじっくりと見たが、時間がいくらあっても足りないなと思った。
猫好きの方にはたまらないお店だろうし、特に猫好きではなくても「これ良いね」と思えるものが必ず見つかるお店だと思う。