文房具が人気で様々な新商品が随時発売されているが、ほとんどが文具メーカーと呼ばれる大きな会社の製品だ。その中で、街の小さな文具店が作った文房具が今年の文具大賞優秀賞に輝いた。素晴らしいことだなと思う。
ぷんぷく堂の「小道具箱」
毎年7月に開催される日本最大の文具・紙製品の展示会「文具・紙製品展 ISOT」。文房具好きなら誰しも一度は行ってみたいと思う展示会だが、同時に毎年「文具大賞」が発表されるイベントでもある。
祝・日本文具大賞デザイン部門優秀賞受賞しました。 https://t.co/moM8ZNJ9Ff pic.twitter.com/40vtoctwGM
— ぷんぷく堂@ISOT出展[E8-48] (@punpukudo) 2017年6月14日
今年も機能部門とデザイン部門とで10製品の優秀賞が選ばれたが、その中のデザイン部門優秀賞の一つに「ぷんぷく堂 道具箱 あなたの小道具箱」が選ばれた。千葉県市川市にある小さな文具店が開発した商品だが、それがこうやって選ばれるというのはものすごいことだし意味のあることだ。
私も以前お店に行って迷わずこの商品を買ったが、しっかりとした作りでとても愛着を持って使わせていただいている。値段は高いがそれだけの価値がある商品だ。こういった商品が脚光をあびるというのは素敵なことだと思う。
夕方5時からゆるく開いている文具店
文具店 ぷんぷく堂は千葉県市川市にある文具店。JR本八幡駅で電車を降りて、10分ほど歩いたところにある。京成電鉄の線路沿いにある小さな文具店は、夕方5時から開店しているという珍しいお店だ。
京成電鉄の線路沿いは昔からの住宅地で、夕方になると仕事帰りの人や買い物帰りの人が家路を急ぐ姿が見られる。のんびりとした風景だ。市川市役所の裏手にあたるこの界隈は、道も狭くて車はほとんど通らず静かだ。
店内は2.5坪というこじんまりとしたスペースだが、そこに所狭しと様々な文房具類が並べられている。所狭しと並べられてはいるが、整然と整理されているのでとても見やすい。
店主の櫻井有紀さんはとても親しみやすい雰囲気で、お店に入った瞬間から「ゆっくりご覧になってくださいね」と声をかけていただいた。また、オリジナル商品について素材などを質問すると、作り方や製作にあたってのコンセプトなどをとても分かりやすく丁寧に教えていただいた。
お店の方とのこういうやりとりというのは楽しい。文房具好きとしてはオリジナル商品の説明を聞くのも楽しいし、見たことのない商品の使い勝手を教えてもらうのも楽しい。
そういった櫻井さんの姿勢がファンを生み、結果として文具大賞優秀賞受賞につながったのだろうと思う。
■ぷんぷく堂
住所 千葉県市川市八幡5-6-29
電話 047-333-7669
営業 月・火・木・金・土 17:00-22:00
第一日曜・祝日 12:00-19:00
昨年も受賞した小さなメーカーの商品
昨年の文具大賞デザイン部門でグランプリを受賞したのは、あたぼうステーショナリーの「飾り原稿用紙 碧翡翠」という原稿用紙だった。原稿用紙というレガシーな商品が受賞したというのは意外だったし、何よりも個人メーカーの商品がグランプリを受賞したというのも驚きだった。
万年筆での書き心地が最高に良いこの原稿用紙は、今でもお気に入りの商品だ。良い商品はこうやって評価されるし、そこが文房具の素晴らしさだとも思う。