カフェで仕事をしたり出張時の飛行機の中で資料を読んだりと、雑音の中で何かに集中しなければならないという方は多いと思う。私もそのような状況になることが時々あるが、疲れている時などはいつもは気にならない雑音でも気にかかることがある。
そんな時に使えるのがキングジムが発売した「デジタル耳せん」。先日購入してみたが想像以上の効果があった。
■新感覚の「デジタル耳せん」
キングジムが発売したのが「デジタル耳せん」という商品。雑音と反対の周波数をぶつけることによって、雑音を打ち消してくれるという商品だ。
キングジムは文具用品の総合メーカーだが、長時間コマ撮りをしてくれるカメラ「レコロ」や、 電子メモパッドの「ブギーボード」など、ちょっと目先の変わった新商品にも力を入れている。
今回発売されたデジタル耳せんも、文具メーカーから発売されたというのがとても面白いなと思う。それだけ雑踏の中でメモをとったり資料を作ったりする機会があるということだろうか。着眼点が良いと思う。
商品の訴求点も技術的なことはまったく書かれておらず、使用シーンごとの効果をイラストで明示されている点が分かりやすい。
カフェや移動中だけではなく、電車の中での読書や図書館での気になる空調音など、言われてみればなるほどなと思える場所が出てくる。こういった例示によって、他にも「出張中のホテルで冷蔵庫の音が気になる」というように自分自身の経験も思い出させてくれる。
こういった商品の訴求方法というのもあるんだなと感心した。
■実際に使ってみたらちょっと驚いた
価格が4千円台というのはちょっと高いような気がするが、その割には本体はプラスチック製で簡易な造り。これをチープだと思うかスマートだと思うかは好みが分かれるところかもしれない。
イヤホン部分は耳の形状に合わせて4種類の交換イヤーピースが用意されていて、自分の耳にフィットしたものを選べるようになっている。
さっそく扇風機や換気扇の近くでイヤーピースを耳に入れ、音が聞こえることを確認してからスイッチをオンにしてみた。すると、それまで聞こえていた扇風機や換気扇の音がピタッと聞こえなくなり、人の声だけが聞こえる状態になった。
これはビックリするような感覚で、小さなボディーにもかかわらず効果はしっかりとしているんだなと驚いた。もちろん扇風機や換気扇の音がまったく聞こえなくなるわけではないが、「聞こえていないも同然の状態」になるので実用性は十分だと思う。
ただし、私の場合には急に雑音が聞こえなくなったことによって、少しだけめまいのような感覚を覚えた。しかし、これもしばらく装着しているうちに感じなくなったので、個人差があるんだろうなと思う。
読書や仕事だけではなく、例えば人ごみでの雑音が苦手で頭が痛くなるというような方にも役立つだろうし、何よりも人の声や駅などのアナウンスは聞こえるというのはありがたい。
イヤピースを装着することによって人の声もアナウンスも若干音量が下がってしまうが、イライラすることとのトレードオフであれば許容範囲だと感じた。
これから出張の時や喫茶店で集中したい時などには、積極的に使ってみようと思う。