ディスプレイによって空間を演出する。商品の価値を高めるためにもディスプレイはとても重要だと感じているが、それを絶対的な物量で見事に演出しているのがIKEAだと思う。
■「IKEA立川店」の広大な店内
「IKEA(イケア)」(IKEA International Group)はスウェーデン発祥の家具販売店で、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアなどに出店している世界最大の家具販売店。
日本では今までに、千葉県の「IKEA船橋」、兵庫県の「IKEA神戸」、埼玉県の「IKEA新三郷」、福岡県の「IKEA福岡新宮」、神奈川県の「IKEA港北」、大阪府の「IKEA鶴浜」、宮城県の「IKEA仙台ミニショップ」の7店舗を展開しており、今年4月には東京都立川市に国内8店舗目となる「IKEA立川」がオープンした。
IKEAの店舗はとにかく広い。先月オープンしたIKEA立川は、売り場面積約4万平方メートルで国内店では2番目の広さ。その広い店内が巨大迷路のように、モデルルームかと見間違うようなディスプレイで区切られている。
売り場は通路に順路が矢印で示されており、勉強部屋やリビングなどのシーン毎に作られたショールームを見ながら進むことになる。これがアトラクションを見ているみたいで案外楽しい。
また、IKEAではおしゃれなフードコートもあり、低価格で食事や飲み物を楽しむことが出来るようになっている。買い物をする前にまずは食事かコーヒータイムという人も多いようで、開店直後からチラホラと休んでいる人を見かける。
ショッピングモールのフードコートというと雑然としたイメージがあるが、ここは落ち着いた雰囲気の家具や照明が配置されていて、さすがに世界最大の家具販売店だなと感心してしまう。
「仕事の途中でちょっと休憩」という場所としても利用出来るかもしれない。
■ただの箱や電動ドリルがステキなディスプレイになる
IKEAが他の販売店と違うところのひとつは、商品ディスプレイの面白さだと思う。電動工具を壁にずらっと並べてみたり、枕を壁一面にオブジェ替わりに並べてみたりと、商品を自体を圧倒的な物量で並べて展示してしまう。
そうしながらも、目線よりも下は段ボールのまま商品が品出ししてあるなど、効率化を図っている感じがする。目線より上は整然とした商品ディスプレイを、目線からしたはすぐに商品をカートに積めるように取り出しやすい配置をというのはすごい。
圧巻なのは会計フロアにあるセルフサービスエリア。ショールームで選んだ大型の家具などは、専用のメモに番号を記載しておいて、最後にこの場所で棚からカートに移すことになる。こういった部分にも効率化と見せる配置の工夫が施されていると感じた。
ショールームを一通り見て、事前にメモしてきた必要な物を買うだけでも1時間ほどかかってしまうぐらい広い店内のIKEA。
見て、楽しんで、買うという要素が詰まった店内は、圧倒的な物量での商品ディスプレイが印象的な、購買意欲をそそる造りだった。