デザインには商品価値を高める役割がありますが、商品コンセプトもまた商品開発にあたってはとても重要なことだと思います。デザインが素敵なメッセンジャーバッグを見つけましたが、コンセプトもまた素敵なんです。
■「足りないがちょうど良い」というコンセプト
素晴らしい考え方の基で作られたのが「4bunno3 BAG(よんぶんのさんバッグ)」。少し横長のメッセンジャーバッグですが、商品コンセプトがとても素敵なんです。
このバッグの原料は、デパートなどの垂れ幕印刷工場で出る端材や、廃車工場で廃棄される予定だった車のシートベルトなど。それらを使って作られるバッグは、とても素敵なデザインでメッセンジャーバッグに生まれ変わっています。
また、作業の一部を福祉作業所に出して工賃アップに貢献する仕組みをとっていたり、売り上げの一部を身寄りのない児童福祉施設に寄付したりと、コンセプトを含めたすべてに温かさがあるなと感じました。
そして「4bunno3(4分の3)」というネーミングにも想いが込められていたんです。
"4bunno3 の価値観を体現した商品として2年の企画構想の末、誕生しました。素材の 3/4 は寄付された廃材の再利用です。
製造工程の 3/4 は社会的弱者の方が担当します。
利益の 3/4 だけを当社は頂き、残りは寄付します。
すべて100%ではなく、ある意味、中途半端な 4bunno3。 足りないからこそ、みんなの心に余裕ができ、絆や連携ができました。
この感覚が 心地よいなぁ♪ と思ってくださる方に使っていただければ幸せです。”
リユース、福祉対応、社会貢献と三拍子揃ったこのバッグは、良いなと思った人が買うことで最終的な意味を達成するんだなと思いました。私もひとつ買ってみようかなと思っています。
■商品はひとつひとつが手作り
「4bunno3 BAG」の商品ラインナップは6種類。ネイビー、カーキ、マスタード、ピンクブルー、グリーンイエロー、イエローネイビーのそれぞれがとても素敵な色合いだなと思います。
素材はもともと水に強い垂れ幕の生地ですので、天候を気にせず持ち歩けるのが良いなと思いました。デザインは商品価値を高めますが、このバッグがいま人気になっているのも頷けるデザインですよね。
価格もメッセンジャーバッグとしては適正な価格帯ですし、製作・販売の趣旨や内容を考えると、決して利益を得るためだけに生み出された商品ではないことが良く分かります。
商品には”想い”と”物語”が必要なんだなと、改めてそう思いました。