むすこが幼かった十数年前。一緒に出かけるたびに迷子にさせやしないかと、いつも気を張っていた。自分が子どもの頃にはしょっちゅう迷子になっていたので、その反動だったのだろうと思う。
当時はアンパンマンの形をした「迷子ブザー」が売られていた。発信器と受信機があって、発信器を持った子どもが一定の距離を離れると受信機が鳴るというものだ。買ってすぐに落としてしまい最初の一個は壊してしまったという苦い思い出もあるが、結局は迷子になることもなく無事に大きくなったのは幸いだった。
スマホでアラームがなる「デジタルまいごひも」
文房具等の総合メーカーキングジムが発売しているのが、「デジタルまいごひも」という商品。その名のとおり、子どもが迷子になるのを知らせてくれるアイテムだ。
幼い子どもに直接装着する”迷子ひも”は以前からあって、ここ数年で賛否両論が何回も起きている。見た目が良くないという声があったり、安全のためには必要だという声もある。どちらもそれ相応の理由があるが、デジタルまいごひもを使うことによって少なくとも見た目の問題は解決されるだろう。
スマホで設定できるというのも便利だ。以前私が使っていた迷子ブザーは発信器と受信機のセットだったが、スマホが受信機なら家に忘れるということもない。Bluetoothでスマホに接続できるというのが、このグッズの肝なのだろうと思う。
お世話にならないに越したことはないし、常に手を繋いだり見ていたりすれば迷子は防げるだろう。しかし、「ちょっとした隙」というのは誰にでもある。そんなちょっとしたことが事故につながるので、こういったグッズを利用するというのも一つの方法だと思う。
迷子になるのは子どもだけじゃない
私が子どもの頃には何回も迷子になった。迷子といってもほんのわずかな時間だったし、場所も近所のスーパーなどだったので対したことではなかったのだろうと思う。
それでも、その時の心細くてどうすれば良いのかわからない不安というのは、多分生まれて初めて味わった不安だったのだろう。だからこそ、何十年経っても覚えているのだと思う。
ところで、迷子になるのは子どもだけではない。歳をとると色んな忘れ物をするようになって、「大事なものが迷子になる」ということが年に何回かある。幸いカバンや財布など警察に届けなければならないような忘れ物をしたことがないが、カバンに入れておくというのも便利かもしれない。
また、最近ではセキュリティ保護の観点で会社のパソコンを紛失すると厳重な処分が下されるようになったので、紛失を未然に防ぐためにも必要かもしれない。そういったことのために専用で売られているものもあるが、「デジタルまいごひも」も実勢価格では最有力候補として捉えられるかもしれない。