今週のお題「愛用しているもの」
商品の善し悪しはちょっとしたことで決まる。それはちょっとした工夫だったりデザインだったりするのだが、この「ちょっとした」という部分のさじ加減が微妙に難しい。良かれと思ってカスタマイズしてみても、工夫する前よりもかえって使いにくくなると言うこともままあるだろう。なにごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのである。
コンパクトなテープのり
数ある文房具の中で、今では無くてはならないものになった感のあるテープのり。ピーッと引けば糊付けすることができるというのは、思った以上に使いやすい。
最近ではコンパクトなタイプも発売されているので、ビジネスバッグの中に入れておくという方も多いのではないだろうか。私もその一人だ。しかし、コンパクトなテープのりは当然のことながら小さいので、使うときに手の中で安定感が悪くて困ることもある。
そんなコンパクトなテープのりの中でも、トンボ鉛筆の「ピットスライド」というテープのりは、使うときにカバーをスライドすることで手のひらにぴったりと収まって握りやすい。ちょっとしたことだが、優れた工夫だと思う。
また、使わないときにはカバーをスライドしておくと、のりテープ面が保護されるようにもなっている。テープのりを使うときにぺちっとテープ部分のカバーを外す手間もない。一石二鳥の工夫がなされている。
出先でも情報カードにメモを書いては手帳に貼る習慣がある私にとっては、気軽に持ち運べて使える優れもののテープのりは非常に重宝しているアイテムだ。
付け足す工夫の元祖と言えば
何かを付け足して使い勝手を良くする文房具と言えば、「鉛筆ホルダー」が元祖だろう。短くなった鉛筆に取り付けて使う道具だが、私も子どもの頃にはたいへんお世話になった。便利にすると言うよりは、モノを大切にするための道具だったと思う。
もう使われなくなったのかなと思っていたら現在も健在で、それどころかワンプッシュでセットできるように進化したものもあった。自分が鉛筆を使わなくなったからといって、世の中でも使われていないと思うあたりが勘違いも甚だしい。
付け足すのとは少し違うが、軸が延びるボールペンというのもコンパクトで良い。メモ帳や手帳などに差しておいて、使うときにグッと延びて書きやすくなる。
これもまたちょっとしたことながら、便利に使える機能だ。
たかが文房具されど文房具
安価でたくさんの種類がある文房具だが、ひとつひとつの商品をよく見ると、とても手が込んでいて工夫された商品がたくさんある。今回ご紹介したスライドするテープのりなどは、ひとつ数百円の商品なのにここまで手が込んでいるのかと驚くほどだ。
一方で、安かろう悪かろうという代名詞のような商品もあって、そういった手抜きの文房具に出会うとがっかりしてしまうこともある。しかし、そういう道具に出会うのも含めて文房具選びは楽しいなと思う。
たかが文房具、されど文房具なのである。