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[P]プレゼンで仕事を獲得するための「静かな熱さ」

 先日、会社のホームページをリニューアルするためのプレゼンに立ち会いました。私を含めて数名の審査役がいましたが、全員の心を決めさせたのはプレゼン側の「静かな熱さ」でした。

■「静かな熱さ」に心を動かされる

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 来年度に予定されているホームページのリファイン。金額的にはそれほど大きな仕事ではなく、たぶんWeb関連の仕事としては小規模な部類に入ると思います。しかし、それだけに各社の仕事に対する考え方が如実に現れたプレゼンでした。

 この日プレゼンしてくれたのは3社。内容的には今後のWebマーケティング方針から始まり、デザインの考え方や訴求点、リファインに関するスケジュールという簡単なものでした。

 3社のプレゼン内容はそれぞれ的を得ていて、仕事の規模が小さいだけに金額を含めて甲乙つけがたい内容でした。それでもプレゼン後に行われた委託先を決める社内ミーティングでは、全員一致でA社に決定。

 特に直接仕事を発注する広報担当のメンバーは、「A社と一緒に仕事がしたいです!」とまで言い切りました。A社は他社とどこが違ったのでしょうか?

 それはプレゼンを行ってくれたA社担当者の「この仕事に取り組みたい!」という気持ちと、「仕事を通じて顧客の役に立ちたい!」という気持ちが、聞いているこちら側にしっかりと伝わるプレゼンだったからです。

 そういう気持ちを言葉に出して説明してくれた訳ではありませんが、プレゼン中の力強い視線と「静かで熱い」語り口がそれを伝えてくれました。熱い想いを押さえながら静かに力強く語るプレゼンは、時にはやや言葉を噛んでしまうような場面もありましたが、それが逆に真剣さを伝える効果がありました。

 Web関連の仕事の中では安い金額の部類に入るだけに、他の2社は「仕事がとれたらササッと対応しよう」という雰囲気が漂っていましたが、A社だけは「この仕事を通じてお役に立ちたい」という気持ちを感じさせてくれたんです。

 顧客志向と言葉では簡単に言えますが、いざプレゼンの段階になると相手の心に想いは必ず届くんだなと感じました。

■「相手の役に立ちたい」という「気持ち」は「想い」に昇華する

 今回のプレゼンは非常に短い説明時間だったのですが、A社はこちらが求めていた内容の他に「将来的にはこうするともっと良くなる」といった内容の提案をいくつも用意していました。

 顧客の目標とするところのさらに先を見据えた提案。これこそソリューション営業だなと感じましたし、プレゼンに際して顧客の想いを真剣に捉えていないと出て来ない内容だと思います。

 仕事をする時には「利益を上げたい」と思うのが当然ですが、それ以前に「この仕事で顧客の仕事をさらに躍進させたい」とか「顧客の想いを叶えたい」と思うことが一番大切。

 そういった「想い」を持ってくれる会社とは長いお付き合いが出来ると思いますし、それが続けば自然と利益はついてくるのではないかと思います。

 「相手の役に立ちたい」と思う「気持ち」は、真剣に考えることで「想い」に昇華する。そんなことを感じたプレゼンテーションでした。