文房具好きながら高価な文具類、例えば高級万年筆などの文具類には縁がない。縁がないというよりも、手頃な価格で手頃に使える文具類の方に興味がある。貧乏性なんだろうと思うが、個人的には”身の丈文具好き”なんだなと思っている。
そんな”身の丈”に合った文具類の中で、最近他のブログでも見かけるちょっと気になっていた万年筆を買って使ってみた。これが想像以上に使いやすくて嬉しくなってしまった。
■ドイツで子どもたちが最初に使う万年筆
最近気になっていたのが「ペリカン ペリカーノJr」という万年筆。ドイツでは子どもたちが最初に使う万年筆として愛用されているようだが、他の皆さんのブログ記事で拝見していてもとても書きやすそうだなと思っていた。
普段は仕事でパイロットの万年筆やレミーの万年筆などをつかっているが、どれも何となくしっくりこないなと感じていた。数万円する万年筆をしっかりと選んで使えばそれも解消するのだろうが、”身の丈”を常に考えてしまう貧乏性としてはなかなかそうもいかない。
仕事で使うといっても書類へのサインやちょっとしたメモなどに使う程度なので、気分転換も兼ねて先日ふと思いついたついでに買ってみた。価格は千円ちょっととはいえ、普段使いの筆記用具に千円ちょっと使うというのは個人的には贅沢な部類に入ってしまう。
届いたベリカーノジュニアを使ってみて驚いた。想像以上に持ちやすくて書きやすいのだ。ペン先がMという中字だということもあるのだろうが、筆圧をかけなくてもサラサラッと書けてしまう。これは良い。
「ドイツでは子どもが最初に使う万年筆」というだけあって、持つ位置が一定になるようにグリップが形成されていて持ちやすい。また、黄色い部分のグリップが非常に良い感じの柔らかさで、使っていて指が疲れないししっかりとホールドされる感触が良い。手頃な価格の万年筆なのに、思いがけず使いやすくてちょっと得をした気分にもなった。
子ども用ということもあるのか、ペンクリップが付属していないのでポケットにさすということはできない。したがって、ペンケースに入れたりペン立てに立てておいたりする必要があるが、ちょこんと短い万年筆が手元にあるというのもまた楽しい。
個人的にはお買い得な一品だと思う。(※左利き用もあり)
■万年筆は使い方が独特だ
「鉛筆をしっかりと持って、筆圧を書けて書く」ということを小学生時代から習ってきた身としては、ボールペンでもシャープペンシルでもグッと押して書く癖がついている。万年筆を使い慣れていないということもあって、万年筆を手に持ってもついついガリガリッと引きながら書いてしまうことがある。
万年筆の使い方を調べてみると、「筆圧は必要ではなく、手の平を添えて引くだけで書けてしまう」というようなことが書いてある。元々、漢字を書くために作られた筆記具ではないので「グッと押さえてパシッとはねる」というような使い方を想定されていないのだなと気付く。
そういったことを意識しながら万年筆を使うべきなんだろうが、長年身に付いた「筆圧かけるべし」のような書き方がすぐには抜けるわけでもなく、そういう意味でもペリカーノジュニアを使って万年筆の使い方を覚えて行くというのもひとつの方法かもしれない。
歳はとっていても、万年筆の使い方に関してはまだまだ小学生以下のレベルだと言うことなんだろうなと思う。