東京の秋もすっかり深まってきて、朝夕は涼しいのを通り越して寒くすら感じる日も出てくるようになってきた。秋は夜空も澄み渡ってきて星空観測をするには絶好の時期だが、そんな絶好の時期に国立天文台三鷹が特別公開を行う。興味深いイベントが盛りだくさんの特別公開だ。
■思わず夜空を思い浮かべてしまうイベント
国立天文台三鷹キャンパスを中心に行われるが、「三鷹・星と宇宙の日2014」というイベント。各種講演会が行われるほか、普段は見ることのできない国立天文台三鷹キャンパスの設備を見学したり、展示や体験などができるという内容だ。
天体観測が好きな方だけではなく、星空に興味がある方、興味が無いけど子ども連れで楽しみたいという方など、様々な方が楽しめる内容になっている。イベントは金曜日と土曜日の二日間だが、金曜日はプレイベントとして開催されるので親子連れなら土曜日の方が楽しいだろう。
今回のメインテーマは「宇宙のフロンティアに挑むTMT」。TMT(Thirty Meter Telescope)は「30メートル望遠鏡」の略称で、2021年度の稼働開始を目指してハワイ・マウナケア山で建設計画が進められている。今年から計画が動き出したこの望遠鏡は口径30mの光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡で、米国・カナダ・中国・インドなどの研究機関と協力して建設される。
今回のイベントではTMTの講演や各種展示などがメインで行われるが、それ以外にも太陽から発せられる電波の受信体験など楽しいイベントが盛り沢山だ。天気が良ければ土曜日の日没後に、50センチ反射望遠鏡や天体望遠鏡などで星空観察も予定されている。これは楽しみだ。
秋の夜空に想いを馳せながら巡る国立天文台の特別公開。大勢の人で賑わうのではないかと思う。
■「三鷹・星と宇宙の日2014」
開催場所:国立天文台 三鷹
東京大学天文学教育研究センター(国立天文台 三鷹に隣接)
三鷹市星と森と絵本の家(国立天文台 三鷹に隣接)
住 所:東京都三鷹市大沢2-21-1開催日時:《プレ公開》2014年10月24日(金)14:00〜19:00[入場は18:00まで]
《本公開》 2014年10月24日(金)10:00〜19:00[入場は18:00まで]
■パラボラアンテナの美しさ
写真は八ヶ岳山麓の野辺山にある45メートル電波望遠鏡。1982年に完成したこの電波望遠鏡は、一番高いところで地上からの高さがおよそ50m。動く部分の重さはおよそ700トンもある巨大な電波望遠鏡だ。
天体からのかすかな電波を集めることで、 ブラックホールの発見や星・惑星系の形成過程の研究などで大きな成果をあげている。遥か彼方の宇宙空間から届く電波をキャッチし分析するというのは、それだけでも壮大な研究だなと感激したことを思い出す。
ここを訪れたのは今から5年ほど前の1月の頃だが、雪の中に佇む巨大で真っ白な電波望遠鏡のパラボラはとても壮大で美しかった。宇宙にまつわるものはどうしてこうも機能美として美しいのだろうか。不思議だなと思う。
野辺山の電波望遠鏡はいつでも見学ができるので、近くに寄る機会がある方はぜひ一度訪れて欲しい。感動すること間違い無しだ。