その昔、インスタントラーメンの「うまかっちゃん」が発売されたときは、今までにない味に驚かされた。今から40年ほど前の話だ。九州出身の私だが、南九州では白濁したとんこつラーメンは無かったので新鮮だった。
その後、とんこつラーメンは色々な専門店が出来てブームとなり、今ではブームではなくひとつのジャンルとしてしっかりと定着してきた。家系ラーメンや魚介系ラーメンなども含めて、特定の味の専門店は人気だ。
そのなかでも、個人的にはやはりとんこつラーメンが一番好きなのだが、お店の造りも含めて一蘭はなかなか美味しいと思う。
一人ずつにセパレートされたカウンター席と、言葉を交わさずに注文が出来る仕組みには当初は少し馴染めなかったが、慣れてくると一人静かにラーメンに没入出来るのはなかなか良い感覚だ。コロナ禍でさらにその仕組みがクローズアップされているが、元々のコンセプトはラーメンへの没入なのでその辺りは大切にしたい。
他のとんこつラーメン専門店よりもやや高めの価格設定で、玉子やネギやチャーシューのトッピングを追加すると軽く千円を越えてしまうが、それでもお客が絶えないのはやはり独自の味が特定の人を虜にするからだろう。私はスープの味もさることながら、何と言っても麺の細さと食感が好きだ。これはもう個人的な好み以外のなにものでもないのだが、麺自体の味と舌触りが抜群だと思う。
先日も年度末始で日々バタバタと仕事をして少し疲れていたので、サラリーマンにはちょっと贅沢な「半熟玉子とネギのセット」1,180円也を注文した。うん、美味しい!さっと食べて汗をふきふき外の風に当たりながら、のんびりと近くを散歩した。なかなかの気分転換だった。