新型コロナも感染ルートや感染経緯がかなり判明してきて、感染対策もかなり浸透してきたように思える。それは、会社ラベルでは机の前や横にパーテーションを立てたり、個人レベルではマスクや手の消毒を徹底したりというようなことだ。さらに、什器メーカーでも独自の商品開発を行うようになってきた。
コクヨの新型会議用テーブル
ファニチャーとステーショナリーの総合メーカーコクヨは、会話で生じる飛沫などを吸引する会議用テーブル「エアトリーブ」の受注を12月から開始する。エアトリーブは天板の中央から風を発生させて飛沫を吸い込む方式で、喫煙室などにある煙を吸引する機械をイメージすると分かりやすいだろうか。向かい合って話をするときには基本的にはマスクをするのだろうが、それでも、こういったデスクがあると対面での打合せなどを行わざるを得ない場合に安心だろう。
エアトリーブは、天板の下に空気清浄ユニットを搭載しており、天板中央の吸引部から毎秒2.5メートルの風の流れを発生させて会話で生じる飛沫や呼気を吸い込む。
搭載された空気清浄ユニットは、一般的な10人用の会議室であれば、1時間で換気を36回行ったのと同様の空気清浄能力があるようだ。また、空気清浄ユニットに搭載された電子式集じんフィルターは、ウイルスの粒径と同等の大きさの粒子を除去できるらしい。
このテーブルがあればすっかり安心という訳にはいかないだろうが、ウィズコロナの時代には「あったら安心」という商品となるかもしれない。
コロナ禍を企業としてどのように乗りきるか
コロナ禍でリモートワークが推奨され、やってみたら通勤のストレスもなくなかなか良いじゃないと思っている人も多いだろう。そうなるとオフィスに常時居る社員が少なくなり、経費削減のためにオフィスの賃貸を一部を解約するなど、オフィス離れが進みつつあるようだ。
そうなると、当然のことながら会議室が不要となり、什器類も余ってしまうということになる。そこで什器メーカー各社では、今回ご紹介させていただいたような新たな発想の商品を開発して、新たな需要に応えることを模索するのだろうと思う。
コロナ禍によって、世の中の状況や生活様式、仕事のあり方などが大きく変わっていくことに驚きを隠せない。そういった変化に、柔軟に対応できる感覚というのもまた必要なのだろうと感じる今日この頃だ。