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帰省先の空港で故郷の方言を懐かしみ、お土産に地元のワインを担いで行く

お盆休みの真っ只中、日本列島には大型の台風が近づいてきているので、毎日天気予報が気になる方も多いだろう。台風の影響で今週後半は西日本を中心に荒れた天気となるようなので、交通機関の乱れが心配だ。私は幸い、お盆の前半に故郷での法事も終了したので、早々に東京に戻って一息つくことができた。 

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私の帰省先は九州鹿児島だが、毎年お盆の時期は観光客も含めて非常に混雑する航空路線だ。今年はお盆に入る前日に休みを取って移動したが、それでも羽田空港は大勢の人が出発ロビーに詰め掛けていた。大きなキャリーバックを引いて、楽しそうに手荷物検査場を目指す人ばかりだ。 

満席便の飛行機で鹿児島空港に到着し到着ロビーを抜けると、急に鹿児島弁がどっと耳から流れ込んでくる。故郷を離れて30年以上が経っても、方言は耳に心に優しく流れ込んでくるから不思議だ。

詩人であり歌人である石川啄木は、郷里の岩手を懐かしんで「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」という歌を詠んだ。上野駅に行き、郷里の方言を聞いて寂しさを紛らわせたという啄木の気持ちが分かる。

啄木は東京で郷里の方言を聞き、私は郷里に降り立ってすぐに方言を聞くというシチュエーションの違いがあるので同じだとはいえないが、方言を耳にして心が休まるという点では同じだろう。レンタカーを借りて地元のラジオ局にダイヤルを合わせると、昔懐かしいコマーシャルが当時と同じ方言交じりで放送されているのにも和む。方言は幼少の頃から脳裏に刷り込まれているので、気持ちをカチッと切り替えてくれるスイッチのようなものなのだろう。

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故郷の両親は既に亡くなっているので、お墓まいりとお盆の祭礼が帰省の主な目的だ。そして、両親が生前お世話になっていた方々に挨拶をするというのも、また子どもとしての役割だ。

いつもは東京銘菓などを買って挨拶の際にお渡しするのだが、今年は特にお世話になっている方に私が働いている地域で企画されたワインを持参した。Amazonでも売っているので配達もできるのだが、あえて地元の酒屋さんで買って綺麗に包装してもらい、それを手荷物として持参し直接お渡しした。

自己満足なのかもしれないし押し付けがましいかもしれないが、「持参する」ということが相手に対しての誠意であり敬意なのだと思っている。そして、なによりも大切なのは「心を込める」ということなのではないだろうか。帰省して郷里の方言に囲まれながら、そんなことを思った今年のお盆休みだった。