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「キラキラ共和国」(小川 糸)

読書は良い。今年も一年、いろいろな本を読んだ。ビジネス書や紀行文なども読んだが、圧倒的に多かったのが小説だ。

テレビ番組はどうしても「見せられている」という感覚を持ってしまうのだが、本は自ら能動的に読みにいくので、どっぷりとその世界に埋没する感覚があって好きだ。大好きな文房具が登場したり、文具店が舞台となっている物語ならなおさらだ。

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小川糸さんが書かれた 「キラキラ共和国」は、鎌倉にある文具店兼代書屋が舞台の物語だ。2016年4月に出版された「ツバキ文具店」の続編で、今回もまた素敵な物語が綴られている。

鎌倉の小高い山のふもとにあるツバキ文具店は、古い一軒家に店舗と住宅がひとつになったお店だ。店主は20代の雨宮鳩子。 幼い頃から「ポッポちゃん」と呼ばれている彼女は、文具屋と代筆屋を兼ねるお店の主人だ。母親から幼くして離された鳩子は、文具屋の先代である祖母に厳しく育てられた。

このお店は文房具を売るだけではなく、手紙の代書も行っている“代書屋”でもある。代書屋として舞い込んでくる依頼は様々。亡くなったご主人からの詫び状や大好きだった作家からのハガキ、病気で入院した友への催促状など思いもよらない依頼が舞い込んでくる。

幼い女の子QPちゃんを育てながら喫茶店を営むミツローさんと結婚し、今まで感じなかった幸せな気持ちに包まれる鳩子は、一方で厳しかった祖母の自分に対する気持ちも感じられるようになってきた。そんな鳩子の元には、代書の依頼だけではなく様々な人がやってくる。

前作の「ツバキ文具店」は、亡くなった祖母に厳しく育てられた主人公の鳩子が、店を継いで近隣の人々と触れ合うことで徐々に気持ちが変化してく様子が描かれていた。そして、続編の「キラキラ共和国」ではミツローさんと結婚し家族として再出発した鳩子が、家族を通じて見えてくるものや自身の成長が描かれている。

物語の前半ではそういった鳩子を取り巻く様子が描かれていて、代書屋としてのエピソードは中盤以降に描かれている。それでも、登場する文房具類は前作同様に素敵なものばかりで、文房具好きなら思わずメモしてネットで検索してしまうだろう。

テレビドラマでも人気となった前作だが、今回は主人公の鳩子にとって非常にキーとなる人物も登場しているので、さらにシリーズ物として今後も続編が出ることが期待される。

小川糸さんの文章は、読んでいて心地良くなる言葉で綴られているから大好きだ。そんな作品がこれからもシリーズで読めることを、文房具好き、本好きとしてはとても楽しみに感じる。 

キラキラ共和国

キラキラ共和国

 
ツバキ文具店

ツバキ文具店